レイからの誕生日プレゼント
目が覚める。
「むぅ…。」
ここは知ってる。
レイ…お母さんの部屋だ。
どうやらベッドで寝ていたらしい。
「ユイ様。朝食のお時間ですよ。」
「はーい。」
階段を降りる。
家政婦さんが出迎えてる。
「おはようございます。あらら。もうこんなにシワになって。」
「ごめんなさい。つい寝てしまって。」
「大丈夫です。これくらいよくありましたから。」
そう言って変えのスカートを取りに行った。
リビングへ向かった。
「おはよう。ユイ。」
「おはよう。」
「おはよう。お姉ちゃん。」
「おはよう。」
皆が出迎えた。
僕は埋まってる長い辺ではなく短い辺の方に座った。
「ユイ…。それ…。」
気がついた一花、お母さんがペンダントに触る。
「貰ったんです。レイ…お母さんに。夢の中で。」
「そう。あなたが持ってたのね。」
嬉しそうに指で撫でる。
一花お母さんの話によるとペンダントをプレゼントした翌日に無くしたと言っていたらしい。
ごめんって謝ったのだろう。
光景が目に浮かぶ。
一花お母さんが僕の後ろにたって、腕で優しく抱いた。
「お姉様。」
僕は腕を優しく撫でた。
もう会えないと思ってたから。
それから数日がたって、僕は帰ることになった。
部屋に飾ってあるお母さんの写真。
「行ってきます。レイ。お母さん。」
汽笛が聞こえた気がした。
慌てて窓を見るけれど。
そこに汽車の姿はなかった。
「ユイ様ー。」
僕は部屋から出た。
行ってきます。私の。僕の。大好きなお母さん。