第15話
この話はフィクションでであり実際のものとは一切関係ありません。
「これがケルベロス…」
シュウは安心したが少しがっかりした気分でもあった。
すると門番なのか男が一人現れた。
「これはこれは、閻魔大王様に五官王様、それとガブリエル様に…。」
「初めましてシュウです」
「おや、聞き慣れない名前ですね。私はドラキュラ、伯爵です」
ドラキュラ、シュウとってはとてもイメージ通りのオールバックでスーツにマント、おまけに紳士的な口調の男だった。
「あなた方がここまでくると世界のことについてですね。サタン様の所まで案内します。行きますよケルベロス。」
ケルベロスはドラキュラに応えるようにハッハッと息をたてながら足へついて行った。
「あの、ドラキュラ伯爵」「何でしょうか?」
「ケルベロスって番犬なのにどうしてこんなに可愛い格好なんですか?」
「あぁ、元々ライオンよりも大きくて恐ろしい姿だったんですが、手をつけられるのがサタン様しかいなくてですね。周りの悪魔たちも色々襲われたりして手を焼いていたんですよ。なのでサタン様が魔法でケルベロスの姿を変身させたのです。そしたらこのような姿になってしまいまして。サタン様もこの姿が気に入っているんですよ。」「そうなのかぁ…。」
納得はしたがシュウはさえない気持ちだった。
城の中へ入り案内されていくがとても大きく不気味な城内はシュウの圧倒されるものばかりであった。
そしてサタンの部屋へとついた。
「失礼します。サタン様お客様です。」
「ん?客とな。」
でてきたのは頭に2本の角を生やし腰まで伸びたた髪、背中にはコウモリのような大きな羽が生えた落ちついた感じの男前の男だった。
そしてその隣には女がいた。黒い三角形の大きな帽子に黒いローブ。
見た感じでその女は魔女だとすぐにわかった。
「久しいなサタン。」
「閻魔ではないか。久しいな。 」
シュウは仲の良さそうな二人を見て一瞬リョウを思い出した。
「今回は地獄の目のことでちとな」
「なるほどな。ところで一人世の知らないものがひとり混じっておるが」
「初めまして、人間の世界から召喚された。シュウといいます。」
シュウはサタンたちに会釈をする。
「サタンよ。このものが予言にあった剣神のようじゃ。」
「なんと、このものがな。」
サタンはやっと会えたたかのようにいった。
「へぇ、この子がね。」
魔女も珍しそうにシュウを見、近づいてきたが、ガブリエルが割り込むように入ってきた。
「私はあなたをしらないんだけど。どちらさま」
「ちょ、わ、わたし?わたしはマリー、私も人間世界から来たのよ。」
人を少し見下したような言い方にガブリエルはいい気はしなかった。しかしマリーの一言にシュウが食いついた。
「おまえも人間世界から召喚されてきたのか。」
するとマリーはニヤリと笑い応えた。
「正格にいうと自分からきたって言ったがいいかしら。」
「は?どういうことだ?」
シュウはいまいちピンとこなかった。
「あなた黒魔導の魔女でしょ」
「フフ、そうよ。」
「俺もわかるようにように説明してくれ。」
魔法使いには黒魔導士と白魔導士とあるの。この子は黒魔導士。悪魔と契約を交わして魔力を得るの。攻撃的な魔力に富んでいて平均的に白魔導士より強力な力を持ってるわ。まぁ、契約した悪魔の力量によるけどね。けど契約は体でかわすの。内容は力をもらう代わりに後世は心身ともに一生その悪魔に従えることなの。」
「説明ありがとう。天使のくせに優しいのね。」
ガブリエルはマリーの一言一言に腹をたてている感じだった。
それを察したのかシュウは皮肉な感じで言った。
「なるほど、この魔女は偉そうにしているが奴隷も同然なのか。しかも契約は体で払うなんて夜奴隷だな。」
マリーは顔をプクーっとふくらませ、ガブリエルは嬉しそうにしてシュウの隣へよった。
「あっ」
マリーは何かを感じたように声をだした。そしてマリーの足下に魔法陣が現れた。
「デーモン様が呼んでる。サタン様、デーモン様に呼ばれたのでいって参ります。そしてお前たち私の契約者のデーモン様は私を奴隷扱いなんてしないんだから。」
「え?!」
そういってマリーは光に包まれ魔法陣とこもに姿を消した。
「デ、デーモンって…あいつの契約者、デーモンなのかよ。」
シュウは滝のごとく冷や汗をながした。
「シュウよ。安心せい。マリーは馬鹿じゃ。デーモンもそれぐらいでは怒らぬ。」
「ほ、本当ですか?」
シュウは病気の小鳥が鳴くような声で聞くとサタンはコクリとうなづいた。
「そうだよな。急に連れて行かれるなんていいように使われてるじゃねえか。」
シュウはホッと胸をなで下ろすようにいった。
「人をさげすんで言うやつには、たまにはああやっていうのもいい薬であろう。」
そしてガブリエルはシュウをみて言った。
「さっきはありがとうね。」