第13話
この話はフィクションでであり実際のものとは一切関係ありません。
空にちりばめられた星屑。輝く空の下でリョウたちはそよ風に美しく漂う花畑にいた。
「ん~、いい気分~」
リョウは気持ち良さそうに背筋を伸ばす。「さてとこれからどうしようか」
「決まってる。賢者の石だ。いくぞ」
そういうとデーモンを先頭に二人は歩きだした。
「賢者の石ってどこにあるかわかってるのぉ??」
リョウは一生懸命ついて行きながら話しかける。
「あの城だ。」
デーモンの視線の先には白いお城が建っていた。
そしてシュウたちは、
「おい、ここはどこなんだよ…。この悪寒というか、やな場所だ」
「ここは魔界、というべきか、まぁ地獄ね。」
ガブリエルはため息を吐きつつ応えた。
辺りは岩場がごつごつし、見渡すと何万本の針で出来た山やら、骨、処刑台やら溶岩の川、見渡すだけで気分が悪くなるような場所だった。
二人は周りの様子を伺いながら少しづつ前へ進んでいく。
「こんなところ歩いてるとお化け屋敷にでも来た感じがするわね。」
そう言ってさりげなくシュウに近づく。
「おまえお化け屋敷なんか入ったことねだろ。むしろこっちの方が本物でるだろ。」
「しょうがないじゃない」
ガブリエルは微笑む。
「おまえ楽しんでるだろ。」
「えへっ」
一人だけ楽しそうにしているガブリエルをつれてそのまま進む。
すると目の前に大きな城がみえる。
二人はそこへ向かい近づくとやがて大きな門が目の前に立ちはだかった。
その門は巨人でも通るくらいの大きな門だった。
「でけぇ…。とりあえず開けてみるか。」
シュウが門に手をかけ力いっぱいに戸を押す。
しかしビクともせず、門を開けるシュウの姿は玄関を開けようとするアリのようだった。
「む、無理だろぉこれ。はぁ…はぁ。」
するとシュウたちの5mほど隣でガチャと人サイズの扉が開いた。
「なんなんだよ!」
シュウはお約束のような展開にガックリきた。
扉から出てきたのは、鬼だった。
シュウは初めて見る鬼だったせいか恐怖で固まった。
「あ、こんにちは。お客さんですね。こちらからどうぞ。」
鬼の社交的で礼儀正しい言葉使いにさらにシュウは衝撃を受けた。
「ん?シュウどうかしたの?」
ガブリエルは不思議そうにシュウに問いかける。
「い、いや、なんでもない」
シュウは焦りながらも鬼の案内について行き始めた。
そして待合室のような所に案内され
「今回はどういったご用件で?」
鬼はシュウとガブリエルに聞いてきた。
「ここは日本の地獄よね。閻魔様い会わせてもらえないかしら。私たちは天国の世界からの使いなの。今の世界の状況あなたも理解してるでしょう。」
「そういうことですか。わかりました。最近は時間を止めてもらってるおかげで死者の魂が来ないから閻魔様も会うことが出来ると思いますよ。早速手配させてもいますね。」
「はい、お願いします。」
鬼は颯爽と部屋をでた。
「おい、ガブリエル、エンマ様って…」
「大丈夫よ。さっきの鬼もしっかりして人が出来てたでしょ。閻魔様もちゃんとした人よ。」
シュウは不安でいっぱいだった。
しばらくするとさっきの鬼が帰ってきた。
「お待たせしました。閻魔様の都合がよろしかったので今から案内しますね。」
シュウたちは再び鬼についていきはじめた。
そして先ほどの門ほどの大きな扉の部屋についた。
しかしさっきと同じで門の一部に人ほどの大きさの扉があり鬼はノックをして入っていった。
シュウは先ほどのことを思い出し扉に対して複雑な気分だった。
「失礼します」
そう言ってはいると、とても広くて大きな部屋のに巨大な机に巨大な椅子があった。
それにチョコンと座っている人とその隣で立っている人がいた。
「はじめまして。私が閻魔大王だ。そして隣にいるのが五官王だ。」
シュウは再び衝撃を受けた。
想像していた閻魔大王が鬼や、いかつい人とは裏腹に、紳士的でクールな男前であり、さらに隣にいるひとも知的でクールな男前だった。