第10話
この話はフィクションでであり実際のものとは一切関係ありません。
リョウとスニエブは施設を後にし、外へと出る。
二人は散歩をする。外は静かで暗い中を街灯が明るくてらす。
「リョウ、あなたってシュウと中がいいの?」
「私?仲いいよ。幼なじみだからね。」
「そうなんだ。私もあなたたちのように仲良くなりたいな」
リョウは少し微笑みながら話す。
「誰かと仲良くなるととっても楽しいよ。馬鹿話ししたり、遊んたり。いいことばかりだよ」
「そうなんだぁ。よくわからないなぁ」
「?
そういえばスニエブ。あなたの昔話きかせてよ」
スニエブはたち止まった。
「私、今は全然思いだせないの…。」
「!?。もしかして記憶喪失?」
「うん。そんなかんじ」
リョウは驚いた。
「でもやりたいことありからいいの」
スニエブはそんなに気にしてないような口ぶりだった。
「スニエブは強いね。私は元の世界に帰りたい。って気持ちでいっぱいなのに」
「そんなことないよ。ただ気にならないだけ。ふふふ…。あと、…帰れるといいね。今日もいいことありそうだな」
スニエブはニッコリわらう。
スニエブは今を楽しんでるような話しかたにリョウは少し違和感を感じた。
施設の周りを1時間半ほど散歩し、施設へ戻った。
施設につくとルシファとメフィストが入口にいた。
「二人してどうかしたの?」
リョウが話しかける。
「クロノスが瞑想をやり終わったみたいだ。会ってみるか。」
クロノス、その名前はここに来てたまに耳に入る名前だった。 どういう人か知らないがとりあえず会ってみたくなった。
「会ってみたいから行くわ。」
そしてスニエブは
「私はやることがあるからいい。」
と言って施設の中に入っていった。
「わかった。じゃあ、リョウ、ついて来い。」そう言われついていくと地下の奥の広い部屋だった。
扉を開けるとそこには自分より4つほど年上の男が椅子に座りぐったりしていた。
男が話しかけてくる。
「はじめまして、私はクロノス。君が召喚された人だね」
リョウは緊張しつつ自己紹介する
「は、はじめまして…リョウです。」
クロノスは優しく話す。「緊張することはないよ。安心しなさい」
そんなときシュウとガブリエルも部屋に入ってきた。
「あの方がクロノスよ。」
シュウがリョウの隣まで歩く。
「はじめまして、クロノスです」
クロノスはシュウにも優しく話した
「あ、はじめまして、シュウです」
シュウも動揺した感じで返事をした。
「今、世界が危ないことになってるのにわざわざありがとう。勝手に呼び出して悪いことしたと思ってる」
「いやいや、俺の世界も大きく関係ありますから…。」
「かしこまらなくてもいいよ。」
「あ、あぁ…それなら…」シュウが応えるだか二人はまだ緊張している。
「私も手伝いたいが時間を止めるのでいっぱいいっぱいだから手を貸すことができないんだよ。許してくれ」
「そんな謝ることないよ」
「それより身体は大丈夫なのかよ?時間止めたりするんだったら…」
シュウとリョウは心配そうに話すがクロノスはフッと笑みを浮かべて応える。
「今、瞑想して世界にありったけの力を注いだからね。しばらくは安心していいよ。」
クロノスの話しに二人はホッと肩を撫でおろした。
「だけど私の体力もなかなか限界にだ。何日間かゆっくり休ませてもらうかな…。時間が動き始めかけたらまた私の体力が回復してるだろうから安心していいよ。じゃあ、リョウ、シュウたのんだよ」
そういうとガブリエルはクロノスに肩を貸して部屋をでた。
「彼のおかげなんだね。私たちがまだ生きられてるのは」
「あぁ、本気で頑張らなきゃな」
リョウとシュウはクロノスの頑張りを無駄にしまいと心に誓った。
するとスニエブが現れる。
「シュウ、リョウ。美味しいもの作ったの。ちょっと食堂にきてよ。」
スニエブはニッコリ笑い食堂へ帰っていった。
「クロノスのこともしらないで、知らぬが仏ってやつ?」リョウは笑いながらシュウに話した。
「まぁまぁ、腹が減っては戦は出来ぬだ。有り難くいただこうぜ」
「そうね。有り難くいただきましょう」
リョウとシュウは部屋を後にし、食堂へ向かった。
食堂に入るとそこにはカレーが、美味しそうに出来ていた。空腹だったせいかカレーの薫りがやけに鼻を刺激する。
「食べてみて。私が一生懸命つくったんだから」
「おぉっ!うまそう」
「食べていいの?」
二人はスプーンを手にとし今にも食べそうにしている。
「いいわよ。どんどん食べて。その間私は後片付けしてくるね」
「じゃあ、いただきまぁす。」
二人はパクリとスプーンにすくったカレーを口にした。
「美味しいぃ~」 リョウは思わず声にだした。
「うまいなぁ。」シュウも絶賛している。
そこへデーモンが食堂に入ってきてリョウの前に座った。
「デーモンも食べる?すごい美味しいよ」
リョウはデーモンへカレーを進める。
「いや、俺は人間の食べ物は食わない。」
そう言ってデーモンはスニエブの方を見みた。
「もう、食べものより女の子?デーモンも隅に置けないね」
ドゴッ!!!
リョウの一言に怒ったのか、デーモンは机を殴り机はえぐられたように割れていた
リョウは笑顔のまま固まった。シュウも驚きデーモンが殴りえぐられた机をみる。
二人とも大量の冷や汗をながす。
そしてデーモンは食堂から出ていった。
「わ…私、怒らせちゃった?」
「し、知らねぇよ…。
ま、まぁとりあえず食べようか。」
「そ…そうね。」
そしてしばらくして二人はカレーを平らげた。
「スニエブ、美味しかったよ。ありがとうね。」
リョウとシュウがお礼を言うと、スニエブはニッコリ笑ってかえした。
そして二人は再び椅子に座る。
「それよりデーモン、あれはキレすぎだよなぁ」
「そうよね。でもちょっと悪いことしたかなぁ。あとで謝ろうかな」
「それがいいかもな。」
「っていうか美味しいものお腹いっぱい食べたら眠たくなってきたね」
「そうだなぁ。ちょっとここで昼寝しようかなぁ」
「私もぉ」
そういうとシュウとリョウは大きなあくびをだし、机にうつぶせになった。
すぐに二人はイビキをかき深い眠りについてしまった。
気持ちよさそうに二人は寝ていた。
そこにスニエブが二人の前にたつ。
その瞬間。
スニエブの背中から胸へと何者かの手が貫いた。
スニエブは血を吐き。胸からは大きな手と大量の血が出ていた。
「ゴフッ…」
スニエブは胸から突き出た手を強く掴み後ろを振り向いた。
そして、そこにいたのはデーモンだった。