はじまり
この話はフィクションでであり実際のものとは一切関係ありません。
ここは日本のとある家の中。
幼なじみの男二人が仕事の休みを使い、部屋でごろごろと遊んでいた。
「そういえばシュウ、知ってる?今日は怪奇日食だって」
「あぁ、そういえばそうだったね」
「あと、惑星のグランドクロスなんだって」
「グラウンドクロス?なにそれ」
「なんか惑星が十字に列ぶらしいよ」
「ふぅん」
シュウはただ軽いトリビアを聞いたかのような感じでまたベッドに倒れた。
「リョウはいつまで休み?」
シュウがベッドに顔を埋めたまま聞いた。
「俺?ん〜あと二日」
「そっかぁ、俺も同じよ」
二人ともため息をついた。
二人は21歳、就職3年目。
ベッドで寝ているのはシュウ。がたいと運動神経がとても良く短髪で頭のキレもいい。
もう一人はリョウ。細身で前髪の下りたストレートヘアをしている。
シュウほど運動も勉強もできないいたって取り柄のない男だ。
「仕事がなくなってどこか別の世界に行きたいなぁ」
リョウがやる気のない疲れた声で話しかけた。
「そうだなぁ」
シュウも同じような声で返す。
「今日はいい天気だなぁ…雲はいいよなぁ。自由に流されるだけで…」
リョウがクーラーの効く部屋からやる気ない声でぶつぶついいながら夏の青空を見上げる。
「…おい!、日食が始まったぞ太陽が割れてきた。」
「マジで?!」シュウも慌てて近くの窓から空をみた。
太陽が三日月のようになり辺りは暗くなりはじめた。
「すげえ、本当に暗くなってきた。」
「やべぇなこれ」
二人は目をキラキラさせ感動の表情を浮かべていた。
そして太陽は影に覆われ光のリングのようになり辺りは暗闇の世界に包まれた。
そしてリング以外何もみえなくなった。
「おい、シュウ、マジすげえなぁ。」
周りからは何も聞こえない
「ん?シュウ?」
「おい?」
「シュウ?!」
そして急に明るくなり、眩しげに周りを見渡すとリョウの知らない部屋だった。
そこには見たことのない老人と子供の二人が白衣姿でリョウをじっと見ていた。
。
そしてシュウのほうは…。
「うぅ…なんなんだぁ?」
リョウはそばにはいなかった。
辺りは明るく若い男と中年の男、そして片目を眼帯したの男三人が白衣姿でこっちを見ていた。