第67話 紗奈先輩の誕生日
テストが終わって土曜日となった。今日はただの土曜日ではない。
紗奈先輩の誕生日である2月22日だ。
僕は少し前に紗奈先輩に紗奈先輩の誕生日は一緒に過ごしてもらうようにお願いしていた。ちなみに、今日もいつも通り駅での集合にしてもらった。
ちなみに、今日の集合時間は少し遅めの昼の12時にしてもらっている。なぜなら、その間に紗奈先輩の誕生日プレゼントを購入するためだ。
ちなみに、部活動は本来ならあったのだが、熊谷先生の都合で休みになった。
そのため僕は、今日一日紗奈先輩のために行動することができた。
僕は紗奈先輩とおそろいの服を着て家を出発した。
そして、紗奈先輩と集合予定の駅の中にあるお店で紗奈先輩への誕生日プレゼントを探すことにした。
僕はそこの駅の雑貨屋で一時間ほど紗奈先輩の誕生日プレゼントを選んでいた。
そして、僕は紗奈先輩が喜びそうなハンカチを見つけた。
しかし、そのハンカチは三枚セットで「9400円」と少し高かった。それでも、紗奈先輩が喜ぶ顔を思い浮かべると、買わずにはいられなかった。
僕がハンカチを買い終わるころにはもう11時半になっていた。
そのため、僕は紗奈先輩との集合場所に行った。
そして、僕は紗奈先輩を待った。
12時の少し前になると、紗奈先輩が到着した。
「あやちゃん、待ってた?」
「ううん、僕やりたいことがあったから待ってないよ」
紗奈先輩は少し安心していた。
「あと、僕紗奈ちゃんに渡したいものがある」
僕は先ほど購入したハンカチを紗奈先輩に渡した。
「紗奈ちゃん、お誕生日おめでとう」
紗奈先輩はとても喜んでいた。
「あやちゃんありがとう」
紗奈先輩は僕を抱きしめた。
僕たちはしばらくの間抱き合っていた。
そして、紗奈先輩が僕を離すと、僕はあることに気が付いた。
それは、僕たちがおそろいの服を着ていることだった。
「紗奈ちゃん、僕たちおそろいの服着てるね」
紗奈先輩もそのことに気が付いた。
「たしかに~本当に気が合うね」
「ところで、紗奈ちゃんが行きたいところとかあるの?」
「私はあやちゃんと過ごせたらいいと思うんだけど、しいて言うならあやちゃんの誕生日の時みたいな感じかな」
「場所はあの時と同じところでいい?」
「もちろん」
紗奈先輩がそういうと、僕たちは切符を購入してから電車に乗った。
そしてしばらくの間電車に揺られ、電車から降り、改札を抜け、10分ほど歩くと、僕の誕生日に来たショッピングモールと同じところに着いた。
「そういえばあやちゃん、一つお願いがあるんだけど、今日もプリクラ取ってくれない?」
「うん、もちろん」
「いまからでもいい?」
「うん、もちろん」
僕がそういうと、紗奈先輩は僕と一緒にゲームセンターに行った。
そして、紗奈先輩はプリクラの機種を選んで僕たちはその機種で撮影をした。
ちなみに、今日もカップルポーズで撮影した。
そして、落書きの時に僕は「紗奈ちゃん誕生日おめでとう」と書いた。僕の隣で落書きを楽しんでいた紗奈先輩は気づいていなそうだった。
紗奈先輩がそのことに気が付くのはシールが出てくる時だった。
紗奈先輩はそのことに気が付くととてもうれしそうにしていた。
「あやちゃん、私こんな感じで書いてもらえてうれしいよ」
「紗奈ちゃん、もしよかったら僕にも写真のデータ送ってほしい」
「もちろん」
「そういえば紗奈ちゃんは昼食食べた?」
「私は食べてないよ、あやちゃんは?」
「僕もまだ食べてないよ」
「そっか~あやちゃんは何か食べたいものとかあるの?」
「僕は何でもいいけど紗奈ちゃんと同じものが食べたいな」
僕がそういうと紗奈先輩は少し困っていた。
「うーん、それじゃあ今日は昼からステーキにしちゃう?」
「うん」
僕はそういって、僕たちはフードコートの中のステーキ店ではなく、飲食店が並んでいるところにあったステーキ屋に行った。
そして、僕たちはそこのお店でステーキを食べた。ちなみに、紗奈先輩は一番大きいサイズを食べていた。
ちなみに、ここのステーキはとてもおいしかった。しかし、メニューの金額を見てみると、とても高かった。
僕が食べたステーキは少しランクを落としたものなので、それでも1500円だったが、紗奈先輩が食べていたステーキは3200円もした。
僕は少し固まってしまった。なぜなら、今日はそんなに予算を持ってきていなかったからだ。
しかし、ステーキを食べ終わると、紗奈先輩は「今日、私いいステーキ食べちゃったから、あやちゃんは自分の分だけでもいいよ」と言った。
僕は紗奈先輩の誕生日にもかかわらず、紗奈先輩にたくさんお金を払わせてしまった。
それでも、紗奈先輩は楽しんでいた。
そして、僕たちはそのショッピングモールの屋上に行った。
そして、昼間のイルミネーションを楽しんだ。
「あやちゃん、昼間でもイルミネーションきれいだね」
「うん、きれいだね。でも、僕は夜のほうがきれいだと思うかな~」
「そうなんだ。私も夜の方がきれいだと思うけど、昼もきれいだと思うよ」
「紗奈ちゃん、今日楽しいと思ってる?」
「もちろん、だって私、あやちゃんといられるだけでしあわせだもん」
「紗奈ちゃん、ありがとう」
僕は自分より背の高い紗奈先輩を見上げるようにして言った。
ちなみに、僕たちは約10cm身長が違うので、目線が僕のが少し低かった。
「私からすると、あやちゃんのことかわいく見えるんだ」
「そうなんだ」
「ちなみに、あやちゃんから見ると、私のことどんな感じで見えてるの?ちなみに、正直に言ってほしい」
「僕は紗奈ちゃんのこと、かわいいと思っているよ。そして、僕は紗奈ちゃんがいて心強いと思うよ」
僕がそういうと、紗奈先輩は僕を優しく抱きしめてきた。
「ありがとう」
紗奈先輩は喜んでいた。
そして、僕たちはこのショッピングモールから少し離れたところにある観覧車に乗ることにした。ちなみに、僕たちはここの屋上の景色で初めて知った観覧車だった。
僕たちは少し日が沈みそうになっている時間にそこの観覧車を目指して歩き出した。