第46話 年末のプール
今朝起きると僕はわくわくしていた。なぜなら今日は紗奈先輩とひさしぶりにプールに行くからだ。
僕はいつもよりしっかり朝食を食べ、それからいつもの待合場所に行った。
五分程経つと紗奈先輩がやってきた。
「あやちゃんおはよう」
「紗奈ちゃんおはよう」
僕たちは挨拶をすると、電車に乗って少し離れた温水プールに向かった。
温水ブールの最寄り駅で電車を降りると、僕は紗奈先輩との久しぶりのプールにとても緊張していた。
そしてプールの施設の中に入ると、冬場なのでプール内はすいていた。
「紗奈ちゃん、僕利用券買ってくるね」
僕がそういうと紗奈先輩は自分の分のお金を差し出してきた。
「あやちゃん、これで私の分の利用券を買って」
「うん」
僕は紗奈先輩にここまでお金を払わせて申し訳ないと思うが、利用券の代金を断ることはできなかった。
「紗奈先輩昨日もほとんどお金払ってくれたけど、大丈夫なのかな~」
僕はそう思いながら券売機で利用券を二枚購入した。
ちなみに料金は一枚550円だった。
「紗奈ちゃん、利用券買ってきたよ」
「あやちゃんありがとう」
僕たちは自動ゲートに利用券を入れて通過した。
「それじゃあまたプールで会おう」
僕はそう言って男子ロッカー室に行った。
更衣室の中には僕一人しかいなかった。
着替えは10分ほどですることができた。
そして、ロッカー室を出てシャワーを浴びていると、紗奈先輩もそこに到着した。
「紗奈ちゃん、冬場のプールちょっと緊張している」
「私は何回か友達と入ったことがあるから慣れてるよ」
紗奈先輩が来てから一分ほどシャワーを浴びると、僕たちはプールに向かった。ちなみにここはレジャープールなので流れるプールなどもある。僕個人的には一人550円で利用できるのはお得だと思う。
そして、僕たちは流れるプールから入った。
プールの水は暖かかった。
そしてまずは紗奈先輩と流れるプールを一週歩いた。その後15分ほど流れるプールで軽く泳いだ。
「ただいまよりプールの施設の点検を行うため、一度プールからおあがりください」
そのアナウンスが流れると僕たちはたまたま近くにあった階段を使ってプールから上がった。
そしてプールの点検中に僕たちは50メートルプールに向かった。
そのプールの水深は2.3メートルとなっていた。
僕は不安なので一応ビート板を取ってきた。
そしてプールの点検が終わるとすぐに50メートルプールの中に入った。
プールの水深が深いので足が着かなかった。
最初はビート板にしがみついていたが、途中からはビート板を使わなくても泳げるようになった。
そして、休憩時間まで50メートルプールで楽しんだ。その後僕たちはスライダーをやってみた。ここのスライダーはけっこう迫力があった。
しかし、冬場なのでスライダーもすごくすいていた。
そして、その後も2時間ほどプールで楽しんだ。
さすがにここまでプールにいるとお腹がすいてきた。
そのため、一回施設内の軽食コーナーで昼食をとることにした。
夏場の場合再入場は別料金だが、冬場はそうではないためまた、水着の状態でも軽食を取ることができるため、僕たちは係委員さんにお願いして再入場券を発行してもらった。
そして軽食コーナーの自販機で焼きそばを購入してそれを食べた。
焼きそばを食べ終わると閉館時間までプールで泳いだりするのを楽しんだ。
また、閉館一時間前は僕と紗奈先輩しかいなく、ほぼ貸し切り状態だった。
終了の時間になると、僕たちはロッカー室で急いで着替えて施設から出た。
そして最寄りの駅で別れるときに、僕は紗奈先輩にハグをしてほしいと言った。
「いいよ」
紗奈先輩はそう言って僕を抱きしめてくれた。
そして、僕たちはそれぞれの家に帰った。
家に帰るとラインが来ていた。それは6人のグループだった。
「明日みんなで集まらない?」
紗奈先輩からだった。
僕はOKのスタンプを送信した。
そして、ほかの四人も集まることになった。