第34話 紅葉
今日は早く起きることができた。
そのため、今日は万全な準備をして家を出発した。
集合場所である駅に着くと紗奈先輩に「あやちゃんおはよう」と声をかけられたので「おはよう」と返した。
そしていつもとは反対向きの電車に乗った。
電車に乗っている間は紗奈先輩と隣の席に座っていたが、周りに迷惑をかけないようにするためにラインで話をしていた。その話の内容は冬休みのことが多かった。
「あやちゃんは冬休み私と過ごしてくれる?」
「もちろんだよ。だって僕紗奈先輩のこと大好きだもん!」
「冬休みは私と過ごそうね」
こんな感じのことを一時間ほど話していると、あっという間に目的地の最寄り駅に着くことができた。
電車から降りるとすぐにきれいな光景が広がっていた。
駅の中に植えてある木も葉っぱが赤い色に染まっていた。
「紗奈ちゃん綺麗だね」
「うん、そうだね」
僕たちは駅を出たところで二人で写真を撮った。
そこで写真を撮り終わると、紗奈先輩と近くにある公園まで向かった。
そこの公園にはとてもたくさんの紅葉があって、その紅葉の葉の色はきれいな赤色だった。
今の時刻は11時半だが、そこの公園の中はそこそこ混んでいた。
公園の中でも紗奈先輩と写真を撮った。
そして一時間ほど紅葉を見ると、僕はおなかすいてきた。
「紗奈ちゃん僕おなかすいてきたから何か食べに行こう?」
「うん」
紗奈先輩はそう言って近くの飲食店まで僕を連れて行った。
そこは和食のお店だった。
「私が前行ったときここでご飯食べておいしかったんだ」
「そうなんだ」
店内に入ると、一般的な和食屋の内装だったが、店内はそこまで混んでいなかった。
実際僕たちも発券機で手続きをしてから5分ほどで呼ばれることになった。
店員さんに席を案内してもらうと、そこは個室だった。
僕は紗奈先輩と向かい合わせに座り、メニュー表を見ながら紗奈先輩と話していた。
そして僕は紗奈先輩にお勧めされた日替わり定食にすることにした。
紗奈先輩も同じ日替わり定食にしていた。
料理が運ばれてくるまでの間も僕は紗奈先輩と話していた。
しばらくすると、日替わり定食が届き僕たちはそれを食べた。
僕はその日替わり定食はとてもおいしいと思った。また、紗奈先輩もその定食をおいしそうに食べていた。
僕たちはその定食をゆっくり食べた。
定食を食べ終わると、僕は紗奈先輩に定食の代金を渡した。
ちなみにその定食は600円だった。しかし、600円とは思わないほどおいしかった。
僕は紗奈先輩と一緒に会計に行って、そこから僕たちは先ほどの公園にまで戻っていった。
そこの公園の人は先ほどよりも増えていた。それでもここの景色はとてもきれいだった。
しばらく歩いていると、いつの間にかいイルミネーションが光り始めた。
「紗奈ちゃん、イルミネーション光ってるよ」
僕がそう声をかけても紗奈先輩は気づいていなかった。
僕は紗奈先輩背あることを確認して紗奈先輩の袖を軽く引っ張った。
「確かにイルミネーションきれいだね」
紗奈先輩は僕のことに気づいていたらしい。
「また写真撮る?」
僕がそう聞くと紗奈先輩はうなずいた。
そして近くの撮影スポットで写真を撮った。
その近くにはほかのカップルも写真を撮影していた。
写真撮影が終わると日はもうすっかり沈んでしまった。
それでも僕は紗奈先輩と一緒に夜景を見ていた。
そしてしばらくたつと僕は紗奈先輩と離れたくないと思う気持ちが強くなっていった。
しかし、もう今日は午後7時になっていた。
紗奈先輩は時間に気づいたようで「もう今日遅くなっちゃったから夜ごはん食べて帰ろう」
「うん」
紗奈先輩は近くの屋台で僕の分も焼きそばを買ってきてくれていた。
「はいどうぞ
「紗奈ちゃん、焼きそばいくらだった?」
「400円だったよ」
僕は紗奈先輩に400円を渡した。
「ありがとう」
僕がそういうと紗奈先輩は「どういたしまして」と言って近くのベンチまで僕と一緒に行った。
僕は紗奈先輩からもらった焼きそばを食べて紗奈先輩の分も焼きそばのパックのごみを近くにあったごみ箱まで捨てに行った。
そして紗奈先輩は「もうそろそろ帰ろう」といった。
僕は紗奈先輩を離れるのが寂しくて泣いてしまった。
「あやちゃんどうしたの?」
紗奈先輩は心配していた。
「紗奈ちゃんと別れるのが寂しい」
すると紗奈先輩は仕方なさそうな顔をしていた。
そして僕を抱きしめてくれた。
それからも僕はしばらく泣き続けていた。
僕が泣き止むころには15分くらいたっていた。
そして今度こそ紗奈先輩と駅に向かって電車に乗った。
帰りの電車はそこそこ混んでいたが、僕たちは座ることができた。
電車に乗っていると僕は眠くなってしまった。
「あやちゃん起きて」
僕はハッと気づいた。
もうそのころには三駅前になってしまった。
さっきまでたくさん乗っていた人もみんな降りていてこの車両には僕と紗奈先輩しかいなかった。
「私も別れるの寂しいよ」
「そうだったんだ」
「でも私も昔は友達と別れるとき結構泣いちゃってたよ」
「そうだったんだ」
「だけど、今は必死に泣くのをこらえてるんだ」
「そうだったんだ。僕も少しづつこらえるようにするね」
「そうだね」
僕たちが話していると電車がいつもの駅に差し掛かっていた。
しかし、一向に止まる気配がなく駅を通過してしまった。
よく電車の中を見てみると僕たちは急行電車に乗ってしまっていた。
そして次電車が止まると私たちは一回改札の外に出てバス停に行った。
すると僕の家の近くまで通っているバスがあったのでそれに乗ることにした。
そのバスは誰も乗っていなかった。僕たちは入り口でお金を払い、後ろのほうの二人掛けの席に座った。
そして僕の家の近くのバス停までは誰も人が乗っていなかった。
僕たちはそこで降りて最後にハグをして家まで帰った。
僕が寝る準備をしていると紗奈先輩からビデオ通話がかかっていた。
そして僕はベッドの中で紗奈先輩としばらく話していた。
しかし、日が変わってしまったので僕は紗奈先輩と通話を切って眠りに落ちた。