第18話 文化祭の買い出し
朝起きると、時計は11時を指していた。
「ヤバイ!寝坊した」
僕は急いで支度をして、陽子さんのいるはずの学校の中の駐輪場まで行った。
しかし、陽子さんの姿は見当たらなかった。
「約束の時間すぎちゃったからかな~」
一回陽子さんに連絡しようとスマホの画面を開くと、時刻は午前8時半を指していた。
僕は一瞬何が起きたか理解できなかったが、おそらく部屋の時計が夜中に止まってしまったと確信した。
それでもここに着いたことは陽子さんに連絡した。
すると、陽子さんは9時過ぎに来てくれた。
「あやちゃん今日早いけど、どうかしたの?」
「実は、部屋の時計が止まっちゃって寝坊したと思って急いできたんだ」
「私もこの気持ちわかるよ。一回友達との約束に遅れっちゃったと思ったら、約束の時間が一時間遅かったんだ。その時はゲームをして過ごしたよ」
「あやちゃん、切り替えてホームセンター行ってみよう!」
「うん」
二人で自転車を押しながら近くのホームセンターまで行った。
そのホームセンターの駐輪場に自転車を止めてから資材館に行った。そして、5分ほどプラスチック段ボールを探した。
「あやちゃん、プラダン見つけたね!」
陽子さんがさす先には白色の板が置いてあった。
しかし、価格が一枚320円もした。
「陽子さん、これ一枚320円もするよ」
僕は少し驚いた顔で陽子さんに話す。
「確かに、これじゃあ高すぎるね」
陽子さんはスマホの電卓で何枚買えるかを計算した。
「予算が5000円なんだけど、これだと15枚しか買えないから予算が全然足りないね」
その時、僕の頭の中にはいい案を思い出した。
「スーパーマーケットとかでいらなくなった段ボールをもらうのはどうだと思う?」
「でも、段ボールだと、壊れやすいと思うよ」
「段ボールを固定する方法は、また来週考えよう」
「それいいね。とりあえず段ボールをもらえるところを探そう」
僕たちはホームセンターを出て、近くのスーパーマーケットに行って、段ボールをもらえないかをお願いしてみると、店員さんは喜んで許可してくれた。
その店員さんに裏の倉庫まで案内してもらうと、そこにはたくさんの段ボールがあった。
「好きなだけ持って行っていいけど、帰るときに声をかけてね」
店員さんはこのことを話すと、そのままほかのところに行った。
僕たちはそこにある段ボールを持ち帰ることができるだけ持ち帰ることにした。
しかし、このままだと申し訳ないので、ガムテープを二つだけ買っていくことにした。
持ち帰れるだけの段ボールを手に持つと、陽子さんが店員さんに声をかけに行った。
そして駐輪場に行くと、陽子さんはこの店でガムテープを二つ買いに行った。
10分ほどたつと、陽子さんが戻ってきた。
「このガムテープ一つ90円だったよ」
「結構安いね」
その後は陽子さんと二人で今日もらった段ボールを高校までもっていった。
「それじゃあまたね!」
「陽子さんまたね!」
こう言って、僕と陽子さんは自転車で家まで帰った。
そして、僕は午後からは学校からの宿題をして、宿題が終わると物置にあった古いゲーム機でゲームをした。
そして、今日の夜に紗奈先輩にライン「おやすみなさい」のスタンプを送信した。