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インスタントフィクション 大嫌いです

作者: 宇山一博

 あなたへ綴る手紙はこれが初めてですね。この便箋に私の思いを書き留めてみようと思います。

 手紙はいいものですね。書いたものが後世にまで残るのだから。覚悟していてください。

 私はあなたと出会った時から嫌いでした。それも一目惚れの逆、一目嫌いです。

 あなたは私に話しかけて来る日々でしたね。あなたの話を笑って聞いていたけれど正直、嫌いでした。

 あなたとの初デート。海外のリメイク版の映画を一緒に観に行った時、後半ににいくにつれて真相がわかるミステリー、嫌いでした。

 あなたとの初めての夜、気を効かして電気を消して優しく抱いてくれましたね。あなたがたまらなそうにしている表情、嫌いでした。

 あなたのにこやかに笑う顔が、生活していて目に入るのが嫌いです。あなたったら、笑ったまま動かないじゃないですか。本当に嫌いです。

 手紙にシミをつかせるあなたが嫌いです。

この手紙が色褪せるその日まではあなたのことを大嫌いなままでいます。

 

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