キミも、オタクかい?
たまたま、最近ネットのスポニチの記事読んで知ったんだけど、ROLANDさんがアニメオタクだったなんて意外だったわ。
モロチン、リップサービスの可能性もあるけど。
ホストなら、まずは口で客を楽しませないといけないんだから、そりゃあ人並み以上にアンテナの受信幅は広くて然るべしだろう。話すにしたって話題の引き出し多くなきゃいけないし。少なくとも、コンビニとコラボしている作品群を抑えていない、というも考えられない。
イカゲームが流行ればソレ見て、鬼滅流行ったらソレ見て、キングヌーとか聴いて、ウマ娘流行ったらプレイして――話題合わせるためにコンテンツコレクター(今どきのオタク)やってる人たちより、カルチャーに対して造詣が深いのかもしれない。
しかしだよ、ちょっと考えてみたら、ホストクラブ経営しているような実業家で、カリスマ性もある自律したROLANDさんが「アニオタなんですよ」と言えちゃうくらい、オタクに対するメディアの「取り上げ方」は変わったんだな、と痛感してしまう。
もとより、アニメオタクだとかに対する評価は「キチガイ」だった。
いい大人がプラモデルを作ってる、アニメ見てるなんて言語道断であり、「頭おかしいヤツ」というイメージは、昭和からあったわけだ。東京は知らんけど、田舎はそうだろう。
それが、何度か再放送された機動戦士ガンダムとガンプラが、ハイティーンや大学生に受け1981年には「アニメ新世代宣言」などといったイベントも起きるほどのセンセーションを引き起こす。
ガンダム、ガンプラブームのおこぼれに預かろうと、各おもちゃメーカーは理性なきガキどもにプラモを売りつけるため、ロボットアニメのスポンサーを請け負うようになっていった。名作、名デザイナー、名作画、名キット、駄作が次々と生まれては、楔文字として歴史に刻まれていく。
プラモがバカ売れでウハウハかと思ったら、どうも案外バクチだったようで、次々と各おもちゃ会社のプラモデル事業が撤退、果てはおもちゃ会社そのものが倒産したりした。ダンバインとかいう作品のせいで、株式会社クローバーの魂もバイストン・ウェルに転生したんだろう。
で、その会社が所持していたプラモの金型を安く買い取って再販していたのがハイエナのバンダイだったワケなんだけど[用出典]、それは今はいいか。
そのあと、ビデオデッキの普及によって、凄まじい作画を売りにしたOVAやVシネマなんかも人気を博した。ジェノサイバーとかジェノサイバーとか。
そんな折、あの宮崎勤事件が起こり、メディアのオタクバッシングが苛烈化する。
「ここに10万人の宮崎勤がいます」はキラーワード。
今は「ここに数百人のテンバイヤーがいます」になってるかもしれんけど。
「オタク」=ホモ・サケルというイメージが色濃くついてしまった。
その風当りの強さをメディアで目にしていた当時ガキだった俺は「オタクになってはいけない」と戦々恐々としていた。
でも、読んでいた漫画は、コミックボンボン。少年ジャンプやコロコロコミックがガキ向け漫画雑誌の王道なら、ボンボンはアポクリファ(外典)だった。未だにオタク英才教育雑誌だなんて揶揄されてる代物だ。出オチである。
オマケにガンプラもよく作っていた。だってボクのパパが1/144スケールのジャベリンを買ってきて作ってもらった時、アレめっちゃ嬉しかったんだもん。「こんなカッコいいものがあるのか!」と。
オタクにならないワケがない。
厨房になった頃には立派な青二才ガノタでラノベにもハマり、高校時代は暗黒時代。
ところが、この頃からオタクに対するメディアの「扱い方」が変わってきた。
電車男とかいう、実はミーハーな作品のメディアミックスが、明確な節目だったように思う。
早い話、メディアはオタクをサンドバッグにしながらも「砂金が詰まったサンドバッグ」としても見始めていたんだろうね。
世紀末に、新世紀エヴァンゲリオンが流行ったのが気づきにあると思う。
「アレ、コイツら、コンテンツには金をバンバン落とすんじゃね?」と。
当時をふりかえってみても、エヴァゲリオンのカードがオマケで付いていたポテチがバカ売れしていて、田舎の公園にも空の袋がポイ捨てされてるくらいだったもの。多分、仮面ライダースナックやビックリマンチョコの御多分にもれず「妖怪菓子だけ置いてく堀」が現れて、未開封の菓子がポイ捨てされることもあっただろう。もったいないお化けもコラボ出演だ。しまっちゃおうね~。
虎の子のバブルが崩御し、お立ち台ギャルが神輿から降ろされ、世の中が暗くなった時も、もともとインドアで根暗だったオタクたちはマイペースに、自分だけの世界を構築していった。
メディアのオタクバッシングは、トライガンだとか、サカキバラだとか、ひぐらしだとか、ダラダラと続いてはいたのだけど、やればやるほどオタクからの反論も出てくる。オタクバッシングにも限界が来た。
だから、メディアは懐柔策として「電車男」をプロモーションしたんだろう。
実際のトコは知らんけど、俺は勝手にそう思っている。
それからは、メディアが取り上げる「オタク」という属性は、意図的にカジュアルなものとして映し出すようになった。
ハルヒを愛で、らきすたで町おこしとか良いですね~、まどマギは今の若者の心象風景、進撃の巨人がNHKアニメ化、君の名は。が大人気、鬼滅が熱い――
率直に言って、メディアの蝙蝠野郎っぷりには「くたばれバカヤロー、それか肩身狭い思いした善良なオタク一人一人に頭下げる行脚やれ」としか思わないのだけど、まあ確かに「オタク(コンテンツコレクター)」という一面をカミングアウトはしやすくなった。
オタク趣味が良いか悪いかは知らん。
ただ、30歳過ぎたら、正直飽きてきた。
スクリーンの中で貴ばれている夢も友情も努力も青春も恋心も、俺より先に、ずいぶん遠い所に行ってしまったような気がする。
だから、もし、ROLANDさんが本当に歌舞伎町の世界に倦んでて、アニメ制作会社とか美少女恋愛シミュレーションゲーム制作スタジオとかを興したりしたら、彼がプロデュースした作品を本当に見てみたい。
イヤミや皮肉なしにそう思う。
きっと、初回限定版にワインとかシャンパンとか付属してるぞ。