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独り身の俺も女の子と同居できたけど相手はギャルだった  作者: 原作/秋華(twitter/@ashuuka)、イラスト/上崎よつば(twitter/@yotuba_mokoh )
8/8

8話 悔しさは結果に繋がる

「先生ー!!!今日アタシ休み!!!ご飯連れてって!!!」


「今日は次回の『爆乳天使レディースファイブ!』のオンリーイベントに向けた原稿を完成させないといけないから来週ならいいぞ。」


日曜の昼間。

俺は原稿に追われていた。


そう。

実はかれこれ3週間後に行われる、俺の大好きなオッパイアニメ、

『爆乳天使レディースファイブ!オンリー即売会〜乳あるところにライバルあり!〜』

に備えて俺は現在絶賛原稿修羅場なのだ。


すなわち!!!

ゆのの相手をしている暇はないのである!!!

ドヤッ!!!


「オンリーイベント???なにそれ???」


「うーん、要するに、その作品のみの本やグッズを売るイベントかな。

2ヶ月に1回に行われるやつだ。」


「へぇー!!!先生はセリナ様の漫画描くの???」


「まぁそうだな。俺はセリナ様推しだからな。」


描いてる漫画が、セリナ様の18禁漫画ということは言わないでおこうではないか。

変態扱いされそうだし。


「そんで、それっていついつ???」


「3週間後の日曜だけど。」


「日曜!!!

先生!!!アタシ日曜あけとくよ!!!」


「なんでお前が日曜あけとくんだよ。遊びに行くんじゃないんだぞ。」


「『爆乳天使レディースファイブ!』なら、アタシセリナ様のコスプレできるじゃん!!!

アタシ売り子やる!!!やる!!!」


「はっ!??

ちょっと待て。お前を連れて行くとは言ってないだろうが…。」


「えー!??なんで!!!売り子が居た方が漫画売れるんじゃないの!??」


「そ…それはそうだけど…お前はあれだ!!!まだ始めたばっかりでファンが居ないだろうが!!!

俺に認めてほしければまずファンを作れ!!!

話はそれからだ。そうだ、そうだ。」


3週間という短いスパンでファンを作れ…だなんて、難しいことはわかってるけど、少し意地悪を言ってしまった。

正直ゆのの見た目なら立ってるだけで客は寄ってくるのは明らかにわかる。

だけどこの前のゆのをその辺のヲタクに簡単に見せてしまうのがもったいない気持ちもあった。

あの姿のゆのを見たら、絶対ヲタク群がるし…。


「はぁー!??もう先生むかつく!!!」


ゆのが頬を膨らませる。


「俺は自分のファンちゃんと居るけどお前は居ないだろうが!!!」


まぁここで言う俺のファンは、18禁同人誌を買ってくれるファンということは軽蔑されそうなので黙っておくが。


「アタシ、店では一応ナンバー入りの人気キャバ嬢なのに…」


「だめだだめだ。店の客を連れてきても客層が全然違うんだからな。お前はきちんとヲタクに好かれるように努力しろ。」


「もう!!!ムカつく!!!」


「あーはいはい、なんとでも言えよな〜」


「もーいい!!!アタシ、今日店の女の子と遊びに行くし!!!」


「そうか…行ってらっしゃい」


「先生のバカー!!!」


するとゆのは、服を何着かでかい鞄に詰めて、家を飛び出して行った。


なんだあいつ…。

家出かよ…。

まぁここ、もともと俺の家だし。

それにしばらく原稿に集中したいし、居ない方が静かだよな。

とりあえずは好きにさせとくかな。




それからまた一週間後、原稿が完成した。

あとはグッズ作りのみ。

グッズ作りは一枚絵だからラクチンだ!!!

それからトゥイッターで告知して…。

準備はバッチリだな。


自画自賛ではないが、俺は「爆乳天使レディースファイブ!」の18禁漫画を定期的に描いているので、同人の絵師としてはそこそこ人気なのだ。


まぁ、壁サークルまでのレベルではないけども。


それでも同人ならば所詮はアマチュアだ。

まぁそれで納得いかないからオリジナルでヤンキー漫画を描いて商業でのプロを目指そうとゆのと同居しているわけだが。


って…今はあいつ家出中だった…。

あいつ帰ってきたり出て行ったりで本当自由人だな…

まぁそのうち帰ってくるだろう。


よし!これから告知したり色々大詰めだ!!!




その次の週、グッズのイラスト入稿が完了した。

はぁ…。

なんとかギリギリ間に合った…。


そういえば、最後にゆのと話してから2週間立ったけど…。

ゆの、未だに帰ってこないなぁ…。

まぁかなり服も持って出て行ったし、どーせその辺の男の家にでも泊まってるんだろうな!!!


絶対そうだ!!!





即売会前日。

結局ゆのはあれから帰って来なかった。

さすがに3週間も経過すると心配になってきた。


「まぁ、明日9時サークル入場だし…とにかく寝るか。」


俺は明日の準備をし、布団に入って眠った。



そして、即売会当日。

昨日もゆのは帰って来なかった。

ゆの、どこに居るんだろう。

ゆのからは連絡すらない。


色々と考えた。

俺がゆのの気持ちを無視してまた無神経なことを言ってしまったのか。

俺も原稿やグッズの入稿で忙しくて連絡すらしていなかった。


「やべ。もう8時じゃん!!!

とりあえず出るか〜…」



俺はとりあえず電車に乗って会場に向かった。

自宅から会場の最寄り駅までは、一時間ほどで着いた。


「急いで会場入りして搬入準備しないと…」


駅に着き改札から出たその時…


「おくま先生ー!!!!!!」


ん?なんだ?


俺は後ろを振り向いて、びっくりした。


「ゆの!?」


振り向くと、ゆのの姿が。


「先生!!!

よかった!!!合流できないかと思った!!!」


「お前!!!どこに行ってたんだよ!!!

何日も家に帰って来なかったから心配したんだぞ!!!

連絡もないし!!!」


「はぁー!?先生だって連絡なかったじゃん!!!」


「うっ…それは…」


「ねぇ!!!先生!!!見てよこれ!!!」


ゆのがズイッとスマホの画面を差し出してきた。


「なんだよ。」


「もう!!!よく見て!!!」


「はぁー。なんだっていうんだ…

……え!!?」


挿絵(By みてみん)


画面には、セリナ様のコスプレをしたゆのの写真がトゥイッターに投稿されていた。

お気に入り数は2000超えだった…。


「お前、これどうしたんだ…!?」


「アタシ、先生から『ファンがいない』って言われてめっちゃ悔しかった。

だから自分でトゥイッターのアカウント作って、コスプレイベントを調べて行ってみたり、写真投稿したり毎日ツイートしたりしてファン増やしたの。

アタシはナンバー入りしてる人気キャバ嬢だから、ファンが居ないなんてプライドが許さなかった。

アタシ、3週間でフォロワー数1000人超えたよ。

先生にとっては少ないかもしれないけど、これなら先生の漫画の、売り子させてもらえるよね???」


そう言ってゆのはアカウントのトップページも見せてきた。

本当にフォロワー1000人超え…

フォロワー1000人って、数としては多いほうではないけど、3週間で1000人は正直かなり頑張らないと無理だ…

こいつまさか超人なのか…???


ゆの、もしかして連絡取れなかった間ずっと頑張ってたのか?


「ごめん。

お前がこんなに頑張り屋なんて知らなかった。

てっきり連絡とれない間、知らない男の家に入り浸っているものだと思ってた。」


「はぁー!?先生、アタシのことビッチ認定しすぎ〜」


ゆのが笑いながらそう言った。


「ごめん。俺、お前のセリナ様を知らない奴に見られたくなかったというか…その…」


あ、やべ。なんか今の発言キモかったかな、俺。


「え!??なに!??声小さくて聞こえないんだけど!??」


おいっ!!!

聞いてないんかい!!!


「も…もういいだろ!!!まぁ…1000人なんてまだまだだな!!!でも頑張った方だし、売り子させてやるよ!!!」


「はぁー!?先生あいかわらず素直じゃないなー。」


「とりあえずお前は着替えてこい。俺もスペースの準備するから。」


「わかった!!!先生!!!今日頑張ろうね!!!」




そうしてその日の売り上げは過去最高だった。

本を買った参加者も皆ゆのに見とれていたし…。

まぁ、あいつの見た目なら注目されない方がおかしいからこれが当たり前なんだ。



そしてイベント終了後。


「先生!!!おつかれさま!!!!本いっぱい売れてよかったね!!!」


「そうだな。お前早く着替えてこいよ」


「あっ!!!

うん!!!ところでさ、先生」


「なんだよ」


「先生が描いてたセリナ様の漫画、エロ本なんだね!!!」


……………。


すっかり忘れていた。


今日ゆのに売り子をさせた…ということは、俺がエロ本を同人で描いてたことが知られてしまったってことだ!!!


「あ、えっと…」


「あははっ!!!先生ってもしかしてムッツリー???」


ゆのがゲラゲラ笑いながら俺をいじってきた。


「うるさいな!!!早く着替えてこいよ!!!」


「はいはーい」


全く。

何故こうも、あいつは俺のことをすぐにオモチャにするんだ!!!


まぁ、とりあえずゆのと仲直りできたから良かったかな…。


同人でエロ本を描いてることはバレてしまったが。


まぁ、これでエロ本を描いてることは隠さず堂々とできるから結果的には良しとするか…?


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