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雫から始まる物語  作者: あまやすずのり
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第04話

 週末、進の目の前には部活に勤しむ仲間達、

 はなく久々に出来た休日で家の家事をこなしていた。

 早くに母を亡くし、

 父も高校進学時に単身赴任している遠藤家では

 現在進行形で進の一人暮らしが続いている。

 高校生ながら気楽に一人を満喫、とは夢物語。

 実家である以上いつ父が帰ってきてもいいように

 最低限、綺麗に保つ必要があった。

 普段は学校や部活で家の隅々まで手が回らない。

 そのため偶に出来た時間を最大限に使い、

 普段出来ないところまで家事をこなすのが

 部活が休みの日課となっていた。

「荒れてたら親父がまた怒るしなっと」

 日の出から変わらず心地よい光が差し込むベランダへ

 布団を動かし、日光を一杯浴びさせる。

 今日は久々にいい温もりにありつけそうだと思いながら

 すぐさま掃除機の出番。

 全ての部屋を終えたら風呂と便所の掃除へ移行しながら

 気づいた点を片っ端から片付けていく。

 そして一通り終え一息ついた頃にそれはやってきた。

 気づけば時計の短針が天井近くまで近づいている。

 朝早くからやっていたにも関わらず時間が経つのは早いものだ、

 そう思っていると急かすように空腹感がこみ上げてくる。

「まぁほぼ終わったし、外で飯食いながらいつもの店いくか」

 腹の虫にいい聞かせるように一人呟き、

 財布へと手を伸ばし外へと飛び出す。

 本日一番の楽しみを胸に携えながら進は玄関を飛び出して行った。


「味はさっぱりしていて俺好みだったな」

 近所に住む後輩から聞いたラーメン店の感想をのべながら

 店を後にする。

 なかなかどうして食べ応えもあり、

 リピートしてもいい手頃な値段。

 正直、カロリーが気になるところだが、

 そこは走る事で消費するしかない。

 その総合結果を基に今の店は見事俺の食事処リストインとなる。

 一人暮らしの醍醐味で楽しみでもある食事に

 また新たな1ページが刻まる。

 その事に喜びを感じつつも

 胃に貯まった物を早めに消化したいと歩幅は自然と広くなり、

 そそくさと次の目的地へと足を急かした。

 いつもなら日課のランニングを終えた後に行くなじみの店、

 だが今日は偶々近くまで来たので先に習慣をこなすことにした。

 その偶々がまさかとんでもない状況を生むとは露にも知らず。

 小さく曲がった道を進むと見えてくるのは赤い屋根と看板。

 交通量が多い国道から少し離れた住宅街にあるその店は、

 ちょっとした隠れ家的な事と抜群の味で地元では有名な店だった。

『スィート・ヒイラギ』

 看板に書かれた優雅な文字と西洋風な佇まい、

 そして香ってくる甘い匂いに満腹になったはずの腹を刺激する。

 お菓子は別腹とよく言うがここのお店の商品に限って言えば納得する。

 それくらい俺を引きつけ魅了するお店に

 今日も目的の品を求めドアを開くと、

 そこには信じられない光景が待っていた。

「いらっしゃいませー♪」

 瞬間、脳裏から彼女が現れる。

 何かを堪えるように出していた苦しげな声とは違い、

 しっかりと元気いっぱいな明るい声。

 夕日に照らされた雫に映し出された悲しみの表情が

 目の前の輝くような笑顔と重なっていく。

 どこの誰かも分からない、夢だったのかとも思える女性が

 一瞬で目の前で出迎えてくれた店員へとつながる。

 だが、その事実はあまりに唐突に表れすぎた。

 なぜなら、脳が理解する前に思考停止という最終手段が行使され、

 結果、俺は店の出入り口で石のように固まってしまったのだから。

連載物を書いてて困るのが実はこの後書き、だったりします。

ネタが……ネタくれ……w

今なら楽天絶好調っ!という春の珍事があったりしますがw


ここまでお読み頂きありがとうございます。

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