使い魔召喚
第四話 使い魔召喚
扉を開けると広めの通路に出た、左右どちらに行こうか?
「まずは右から行くか、しかし暗闇でも平気でも真っ暗なのは嫌だなー」
アンデッドのセリフとは思えないが仕方ない、一人で知らない所を歩いている、はっきり言って怖いんだよ、暗闇の中でも見えるのと光が無くても大丈夫とは違う、特に精神的にね
「はぁ、光が欲しい、松明とか無いかな?」
その時、壁に等間隔にあった照明?に炎が灯る
「音声入力か?便利だな」
この建物はなかなか広い、食堂・風呂場・武器庫などある、武器庫には剣・槍・弓・盾・鎧などが並んでいた、アウーラ様が準備したのか、まめだな、そう思いながら上の階に上がる、そこも結構広くとある一室には執務室がありその隣の部屋は寝室になっていた
「何でベッドの上に棺桶があるんだ」
ここに寝ろと?いや、吸血鬼だから棺桶はいいとしよう、ベッドの上じゃなくてよくね?又は棺桶要らなくね?
「はぁ、次行こ次」
ここはなんだ?部屋の真ん中に魔法陣が描かれていた
「召喚の間か」
知識として理解していた、魔力を魔法陣に流すと契約可能な使い魔が召喚されて、名前を付けると契約完了で主人の影に呼ばれるまで潜む魔物
「どんなのが出るかわからないが、戦力は多い方が良いよね」
使い魔、よく聞く話だと使い魔が擬人化して可愛い女の子になるのはテンプレだよね、なら名前は可愛い方が良いかな、うん、メアリーとかどうだろう、そう思いながら魔力を流した
「使い魔召喚」
ボン、と召喚陣の中から煙と共に使い魔が現れる、僕はもふもふ系の狼とか飛行系の鷹とかの動物系や、妖精や精霊などのファンタジー系を思っていた
「キシャー、キシャー、キシャー」
そこにはもふもふの毛ではなく、黒光りした甲殻的な肌、四つ足だがトカゲの様な地に這う感じで、尻尾もあるが細く長い、尻尾の先が槍の様に鋭い、ビタン、ビタンと床に叩き付けてる、目や鼻は分からないが口はデカイ、さっきから口を開けてキシャーと鳴いている、はっきり言って怖い
「メ、メアリー?」
そう呟くと顔をこちらに向けた、そして跳躍、その足でどうしてそんなに跳べるのと思っていたら空中で長い尻尾を僕の身体に巻き付けた、驚いた僕は床に転倒、奴は僕の身体の上に乗し掛かり顔を覗きこんでいた
「メ、メアリーさん」
顔の口の上に縦線が出来たと思ったらそれが開き大きい一つ目でギョロリと見てきた、口は鋭い歯があり、その中から小さめの口が出て来た、また、その小さい口から舌を出し僕の顔をベロンベロンと舐め回してきた、凄く興奮している様です、僕を餌だと思っていないか不安です、僕の使い魔は動物系でもファンタジー系でも無い
「SF系だったかー」
使い魔の擬人化、出来たらいいなー