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メフィストの種―悪魔に別の星へ植えられた僕、拠点を守護する聖樹に転生し、 遥か彼方のこの星を開拓していく。  作者: 上部乱


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3/12

第3話 神のひと風吹けば


体の上でアブラムシが繁殖していく。

一匹、また一匹。

三匹産んだところで、親虫は動きを止めた。


四つの刺すような口器こうきが、

一斉に僕の茎に突き刺さる。


彼ら一家は、

恩知らずにも僕の「血液」を啜り始めた。


再生の苗 Lv 1

HP 95 / 100 MP 20 / 20


「……私に助けを求めないのかい?」

メフィストが同情を誘うような目で僕を見ている。


乗ってはいけない。

一度でも彼に頼れば、得るものより失うものの方が遥かに多くなる。


悪魔は僕の沈黙を読み取った。

彼は礼儀正しく微笑み、静かに僕の傍らに佇んでいる。


再生の苗 Lv 1

HP 96 / 100 MP 20 / 20


どうやら、HPは自然回復するらしい。

光合成をしているおかげだろうか。


再生の苗 Lv 1

HP 97 / 100 MP 20 / 20


これくらいなら、

すぐに深刻な影響は出ないはずだ。

メフィストは何も言わず、ただ微笑んでいる。


かつては人間、今は植物。

僕の時間感覚は、

まだこの体に馴染みきっていない。


太陽が三度昇り、三度沈んだ。

その間に奴らは三度繁殖した。


地球のアブラムシは、

これほど増えるのが早かっただろうか?


今や僕の体には六十匹以上のムシが、

隙間なくびっしりと取り憑いている。


再生の苗 Lv 1

HP 54 / 100 MP 20 / 20


「本当に、私に縋りたいことは何もないのか?」

メフィストの声に、

少しだけ苛立ちが混じり始めた。


HP 55 / 100

HP 43 / 100


彼は分かっていない。

今の僕を無欲無求にしたのは、彼自身だ。

樹木は生を求めるが、死を恐れはしない。



「見てごらん、

その無惨に黄ばんだ葉を!」


彼は僕の……右の手のひらだろうか? 

葉を優しく撫でた。

指先が僕の体の上を軽くなぞる。


アブラムシ Lv 1 HP 0 / 1

アブラムシ Lv 1 HP 0 / 1

……。


十数匹のアブラムシが死んだ。

新しいメッセージが浮かぶ。

経験値:13 / 32


「見たかい? 

指一本で君を救ってやれるのだよ!」

悪魔は得意げに笑った。


HP 47 / 100

体力の減少傾向が、回復へと転じる。

その時、一陣の風が吹き抜け、

多くのアブラムシを吹き飛ばした。


HP 77 / 100


「ヤハウェめ! 

それはルール違反だぞ!」


メフィストが天に向かって怒声を上げた。

だが、そんなに怒る必要はない。


吹き飛ばされたそばから、残ったアブラムシが再び繁殖を始めたのを僕は見ていた。


HP 66 / 100


体力の推移が再びマイナスへ。


「おやおや、強欲な小虫どもだ。

君を逃がすつもりはないらしいな?」


気分屋の悪魔は、再び忍耐を取り戻した。


HP 57 / 100


「見てごらん。

あの偽善者の老いぼれが垂れ流した

数秒の憐れみも、

今や引っ込んでしまった。」


HP 48 / 100


「私なら助けられる……君がこの賭けに乗ると、約束さえすればね。」


HP 39 / 100


そうだ。

僕はまだ何も約束していない。

僕の魂はまだ自由だ。


HP 27 / 100


メフィストが失言に気づいたように顔をしかめた。

まるで指し手を間違えた棋士のような表情だ。


HP 22 / 100


アブラムシ、頑張れ……!


あと数分もすれば、

この煩わしい詐欺師からおさらばできる。


HP 14 / 100


一度死んで得た新しい命だが、

未練なんてこれっぽっちもない。


HP 8 / 100


ヤハウェさん、あんたのことはよく知らないけど、さっきのはありがとう。


HP 4 / 100


奇妙な気分だ。

死をこれほど待ち遠しく思うなんて。


HP 2 / 100


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


この物語を気に入っていただけましたら、

ぜひたくさんおすすめしてください。

そして、少しでも励ましの言葉をいただけたら嬉しいです。

この物語を書き続ける価値があるのだと、

実感させてください。

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