87話 デートの日 ――「胸の高鳴り」
朝、窓の外の光に目を覚ますと、ジャックの胸は自然に高鳴っていた。
今日は涼香さんとの約束の日。
思わず小さく笑みを浮かべながら、身支度を整える。
服選びも慎重に――清潔感があり、でも少しだけ自分らしい雰囲気を添えて。
(今日、どんな表情を見せてくれるんだろう……)
少し緊張しつつも、その胸の高鳴りにジャック自身も驚いていた。
待ち合わせ場所に着くと、すでに涼香さんが微笑んで立っている。
その笑顔を見ると、緊張が少しずつ溶けていくようだった。
「こんにちは、涼香さん。今日もいい天気だね」
ジャックは自然な笑顔で声をかける。
歩きながら、カフェや公園、街並みを眺める。
何気ない会話が、いつの間にか楽しい時間になっていく。
株の話は頭にない――今日の目的はただ、涼香さんと過ごすこと。
(この時間を、ただ楽しみたい……それだけで十分だ)
歩きながら見せる涼香さんの仕草や笑い声に、ジャックの心はさらに弾む。
「こんなふうに、穏やかで楽しい時間があるんだな……」
その実感が、ジャックの胸に暖かく広がる。
夕暮れが近づく頃、二人はベンチに腰を下ろす。
街のざわめきの中でも、二人だけの時間が静かに流れていく。
ジャックは、今日という日が、少し特別で大切な一日になることを感じていた。
午後のカフェで、二人は静かに並んで座っている。
コーヒーの香りと窓から差し込む陽の光が、心地よい空気を作る。
涼香:「ジャックさんって、本当に落ち着いてますね。なんだか、何でも知ってる人みたい」
ジャックは少し微笑んで、目を細める。
ジャック:「そんなことないよ。……でも、少しだけ、普通じゃないことはあるかも」
涼香は少し首を傾げる。
涼香:「普通じゃないことって、どんな?」
ジャックは軽く笑みを浮かべ、視線を遠くにやる。
ジャック:「うーん……例えば、昔から不思議なことに縁があったとか、普通の人には見えないものを見たり、聞いたりできたりとか……」
涼香の目が少し大きくなる。
涼香:「え……本当に?」
ジャックは肩をすくめて笑う。
ジャック:「まあ、全部は話せないけどね。でも、だからこそ、こうして日常の中で一緒にいる時間が、特別に感じられるんだ」
涼香は少し頬を赤らめ、微笑む。
涼香:「……不思議だけど、なんだか安心するかも」
ジャックも笑顔を返す。
ジャック:「安心してくれるなら、少しは話した甲斐があるな」
窓の外では街の喧騒が続いている。
でもカフェの中の二人は、静かで温かい時間の中にいた。
ジャックは、ほんの少しだけ自分の“特別さ”を匂わせたことで、二人の距離がさらに近づいたのを感じていた。
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