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後悔ばかりの男の逆転人生  作者: れんれん


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62話 神獣との出会い、そして名付け

森へ向かう足取りは、軽くはなかった。

だが、迷いもない。

神獣がいる。

噂ではなく、確信だった。

辺境伯領の森には、

人を拒む“境”がある。

道は続いているのに、

それ以上は踏み込ませない場所。

そこへ入った瞬間、

音が消えた。

鳥も、風も、

息を潜める。

――見られている。

恐怖ではない。

選別されている感覚。

ジャックは歩みを止め、

剣にも、イベントリーにも触れなかった。

現れたのは、

狼に似た神獣。

夜を溶かしたような毛並み。

鋭いが、荒れていない瞳。

一歩ごとに、

森そのものが応じているようだった。

逃げない。

襲わない。

ただ、距離を測る。

――理由を示せ。

そう言われている。

ジャックは、

ゆっくりと膝をついた。

命令の姿勢でも、

服従でもない。

対話の高さまで、

自分を下げる。

「仲間になれるか、

 確かめに来た」

声は低く、

飾りはない。

次の瞬間、

意識が触れた。

言葉にならない問い。

――境界を越えるのか?

ジャックは、

イベントリーの感覚を開く。

物を保存し、

距離を断ち、

時間を止める空間。

「越えている。

 物は、運べた」

神獣の瞳が、

わずかに揺れた。

一歩、

神獣が近づく。

威圧ではない。

服従でもない。

選ぶための距離。

ジャックは動かない。

「無理なら、

 断っていい」

沈黙ののち、

神獣は伏せた。

拒絶ではない。

だが、何かが結ばれた感触があった。

名付けは、そのあとだ。

神獣には、

この森で呼ばれてきた名がある。

だが、それは境界を越えない。

ジャックは考えた。

力を誇る名でも、

神話をなぞる名でもない。

剣豪の名でもあり、

孤高の象徴でもある――

だが、

主を持たず、己の技で立つ者の名。

「小次郎」

名を呼んだ瞬間、

神獣の耳が、ぴくりと動く。

否定はない。

もう一度、

低く呼ぶ。

「小次郎」

その時、

確かな重みが胸に落ちた。

完全なテイムではない。

イベントリーに収まることも、

常に傍にいることも、まだ叶わない。

それでも――

名は通った。

森を出るとき、

ジャックは振り返らなかった。

だが背後から、

低く短い声が返る。

返事だ。

名を受け取った者の。

この「小次郎」という名、

・孤高

・従属しない強さ

・だが一度認めた相手には筋を通す

という性質を、神獣に自然に宿せる。

後書きという名のお願い 面白い、こんな展開もありと思った方は 下の★マークをタップ 感想やご意見お待ちしてます

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