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58話 配信再開の夜
ジャックは緊張している。
でも、それを隠そうともしない。
声は少しだけ硬い。
それでも、出てくる声は“元の声”に近い。
聞いている側には、
「変わってないな」と思わせる程度には。
話し方・振る舞い
無理にテンションを上げない
間が空いても気にしない
噛んでも言い直さない
昔のままでいい。
「うまくやろう」じゃなく
「いつも通り話そう」に徹する。
会話の流れ
最初は一方的に話す。
戦国の小ネタ
ふと思い出した小説の一節
どうでもいい雑談
少しずつ、コメントが増えてきたら
こちらから近況を話さない。
代わりに、自然に聞く。
「最近どう?」
「今日は作業中?」
「はい、時間的に家事のある方
気にせず抜けてね〜」
またねのスタンプと敬礼のスタンプと共に
コメント欄見ながら
懐かしさが込み上げるジャック
ジャックの近況は語らない
リスナーの近況を、
“いつもの配信の延長”として拾っていく
「久しぶり」「戻ってきた」は使わない
だから誰も気が付かなかった
ジャックという存在を
(それでいい今はそれで)
配信が終わりホットしながら
明日の日常の仕事の為に
静かに休む
これがこれからの生活のスタイル




