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後悔ばかりの男の逆転人生  作者: れんれん


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54話 次のステップのための一手

今の生活に、不満はなかった。

朝起きて、

仕事に行って、

黙々と手を動かして、

帰ってくる。

給料は安定している。

職場の空気も悪くない。

誰かに責められることもない。

――平凡で、健全で、

「普通の人生」だ。

(……悪くない)

それは本心だった。

だが。

夜、部屋に戻って一人になると、

ふと、胸の奥がざわつく。

配信。

かつての自分が、

言葉を投げ、

人と繋がり、

世界に痕跡を残していた場所。

もう戻らなくてもいい。

戻らない選択も、

十分に成立している。

資産もある。

生活に困ることは、二度とない。

それでも――

「やってみたい」という感情だけは、

理屈では消えなかった。

(別に、今を捨てる必要はない)

そう思った瞬間、

一つの答えが浮かぶ。

アパートは、このまま借り続ける。

職場も、手放さない。

東京に、もう一つ拠点を持てばいい。

仕事が終わったら、

転移すればいいだけだ。

電車も、終電も、

混雑も関係ない。

誰にも迷惑をかけない。

生活リズムも崩れない。

“夜だけ、別の顔になる”。

(……出来てしまうな)

頭の中で条件を並べる。

資金──問題なし。

時間──仕事後で十分。

身元──もう揃っている。

リスク──極めて低い。

失うものが、ない。

それに気づいた時、

少し怖くなった。

(前世の俺は、

何かを始めるたびに、

何かを失っていた)

時間。

人間関係。

信用。

健康。

だが今は違う。

守りながら、

踏み出せる。

「普通」を手放さず、

「もう一つ」を持てる。

これは逃げでも、

無謀でもない。

――選択肢が増えただけだ。

配信してみたい。

それだけ。

成功しなくてもいい。

有名にならなくてもいい。

ただ、

声を出して、

反応が返ってくる場所に、

もう一度立ってみたい。

(失敗したら?)

やめればいい。

(誰かに傷つけられたら?)

距離を取ればいい。

(生活は?)

何も変わらない。

ジャックは、

スマホを手に取り、

東京の地図を見る。

不動産でチェック

マンションを買う

防音設備も万全

夜でも静かな場所。

“配信専用”。

そんな贅沢な言葉が、

現実味を帯びてきた。

(……贅沢、か)

いや。

これは、

前世で失ったものを

無理に取り戻す行為じゃない。

今世で、

初めて「余白」を使うだけだ。

ジャックは静かに息を吐く。

「やってみるか」

誰にも宣言せず、

誰にも頼らず。

ただ、

自分の意思だけで。

後書きという名のお願い

面白い、こんな展開もありと思った方は

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