51話 再開と信用そして未来
再会を果たし、
若返りという“現実に起きた結果”を前にして、兄はようやく口を開いた。
信じ切ったわけじゃない。
だが――否定し続ける理由も、もう無かった。
そこでジャックは、初めて自分の今を語る。
・口座を持ったこと
・身分が整ったこと
・そして、静かに続けている投資の話
派手な成功談はしない。
生活は変えていないこと、贅沢もしていないこと。
ただ「確実に、積み上げている」だけだと。
「資金は、俺が出す。
貸すって形にする。兄貴の人生だから」
その言葉に、兄の眉がわずかに動く。
ジャックは続ける。
「もう、お金に追われる人生は終わりにしてほしい。
やりたいことを、やりたいと言える人生を歩いてほしい」
未来予測を使うこと。
間違いないこと。
そして――
「一つだけ、絶対に守ってほしい。
税金は、全部払う。
正面から、堂々と生きてほしい」
それは助言というより、お願いだった。
前世で、
金に振り回され、未来を失い、何も守れなかった自分自身への――
静かな懺悔にも似ていた。
兄はしばらく黙っていた。
金の話に警戒しているのではない。
“人生を丸ごと渡される”ことの重さを、感じ取っていた。
そして、低く一言。
「……それで、お前はどうする」
ジャックは少し首を傾げ、昔と同じ癖で笑う。
「俺はもう一度、ちゃんと生き直す。
兄貴には、遅れてきた自由を」
この瞬間、
兄弟は初めて同じ未来の話をした。
疑念はまだ残っている。
だが、ここから先は――
試す価値のある現実だった。




