表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後悔ばかりの男の逆転人生  作者: れんれん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

179/181

166話 エリクサーを飲んだジャックの変化

最初に戻ってきたのは、痛みではなかった。

次に戻ってきたのも、意識ですらなかった。

――感覚だ。

空だったはずの場所に、何かが満ちていく

体の奥。

胸のさらに奥。

魔力の“器”としか呼べない場所。

そこが、

空洞だったはずなのに。

一滴、また一滴と、

温度を持った何かが満ちていく。

エリクサー。

喉を通った記憶はない。

だが確実に、入ったと分かる。

魔力が、

「戻る」のではない。

**“存在を思い出す”**感覚だった。

枯渇していた魔力の回復

枯れていた。

完全に。

いや、

削り取られていた。

6月24日、

日本列島全体を覆ったあの結界。

あれは、

「使った」のではない。

燃やしたのだ。

自分という存在そのものを。

それが今――

……流れてる

血流のように、

神経のように、

魔力が体内を巡り始める。

だが暴走はしない。

満ちているのに、

静かだ。

エリクサーは万能薬。

だからこそ、

“ちょうどいい状態”にしか戻さない。

精神への修復 ― 割れていた場所が繋がる

次に訪れたのは、

頭の奥の軋みが消える感覚。

夢と現実の境界が、

曖昧だった。

聞こえてはいけない声。

見てはいけない未来。

救えなかった可能性。

それらが、

一つの線に収束していく。

ああ……俺は、生きてる

恐怖も、

後悔も、

罪悪感も。

消えはしない。

だが、

折れていた“芯”が、真っ直ぐに戻る。

エリクサーは、

心を“軽く”はしない。

壊れた場所を、

元の強度に戻すだけだ。

肉体の回復 ― 痛みが「遅れて」やってくる

最後に、

ようやく体が主張し始める。

筋肉の重さ。

骨の存在感。

肺が空気を取り込む感触。

遅れてやってきた痛みは、

生きている証拠だった。

心拍が安定しているのが分かる。

呼吸も、深い。

身体はまだ横たわっているが、

もう「昏睡」ではない。

そして、涼香がいないことに気づく

目を開ける。

白い天井。

静かな病室。

そこに、

涼香はいない。

だが――

探す必要はなかった。

感覚で分かる「居場所」

魔力を伸ばしたわけでもない。

索敵でもない。

ただ、

“分かってしまう”。

……屋上だ

距離も、

高さも、

風の流れも。

彼女が今、

どんな姿勢で、

どんな呼吸をしているかまで。

これは能力ではない。

魔法でもない。

完全回復が、切れていた接続を繋ぎ直した結果。

ジャックは理解する

エリクサーは万能薬だ。

魔力の枯渇も、

精神的ダメージも、

肉体的ダメージも。

すべてを回復させる。

だが同時に――

取り戻してしまったんだな

多分涼香が飲ませてくれたのだろうと

ジャックは分かってしまう。

俺たちの、全部を

失っていたはずの“重さ”も、

覚悟も、

そして――

涼香という存在の、絶対的位置。

ジャックは、

まだ動かない。

まだ呼ばない。

だが確信している。

自分は戻った。

そして、彼女は待っている

後書きという名のお願い、下の★マークのタップとブックマークをお願いします。

今後の活動の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ