表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後悔ばかりの男の逆転人生  作者: れんれん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/31

17話 初任務――Fランクとは思えない結果

冒険者登録を終えた翌日。

俺は冒険者ギルドの掲示板の前に立っていた。

並んでいる依頼は、どれも地味なものばかりだ。

・薬草採取

・倉庫の害獣駆除

・街道沿いの巡回補助

いかにもFランク向け、という内容。

(まずは無難にいこう)

俺が選んだのは

「辺境伯領外縁部・薬草採取」。

危険度は低、単独行動可。

――表向きは、だが。

 

森に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。

辺境伯領の森は浅瀬ですら油断できない。

それは、子供の俺でもわかる。

探知を展開しながら、指定された薬草を次々と回収していく。

(この辺で終わりかな)

そう思った、その時だった。

――ズズ……。

地面を擦るような音。

探知に反応が走る。

数、三。

距離、近い。

(……害獣じゃないな)

姿を現したのは、

Eランク以上とされる魔獣――フォレストウルフ。

しかも群れ。

 

「依頼内容、間違ってない?」

小さく呟きながらも、頭は冷えていた。

逃げることもできる。

だが――

(実戦確認には、ちょうどいい)

俺は一歩、前に出た。

魔力を流す。

使うのは抑えた魔法。

空間操作・簡易圧縮。

狼の足元の空間が、わずかに歪む。

ガンッ!

見えない壁に叩きつけられたように、

フォレストウルフが地面に伏した。

残り二体。

間合いに入る前に――

空間断裂・低出力。

風も音もなく、

魔獣の首元に細い線が走る。

次の瞬間、二体は同時に崩れ落ちた。

 

静寂。

(……やりすぎたか?)

周囲を確認し、戦闘痕を最小限に整える。

魔石と素材を回収し、薬草も揃え、そのままギルドへ戻った。

 

「お疲れさま――って、早くない?」

受付嬢が訝しげに言う。

素材袋を確認した瞬間、彼女の表情が固まった。

「……これ、フォレストウルフの牙?」

「三体分」

「……は?」

周囲の冒険者たちの視線が、一斉にこちらへ向く。

「Fランクの依頼よ?」

「出会ったから」

簡潔に答えると、彼女は頭を抱えた。

 

結果。

・薬草:規定数以上

・追加討伐:Eランク魔獣×3

・負傷:なし

依頼完遂。

だが――

「これは……上に報告します」

受付嬢は、はっきりそう言った。

(あー……目、つけられたな)

俺は内心で苦笑する。

Fランク。

その肩書きは、もう形だけになりつつあった。

――静かに、確実に。

俺の周囲で、世界が動き始めている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ