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後悔ばかりの男の逆転人生  作者: れんれん


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148話 会談直後、官邸が一斉に動きだす。

首相が地下会議室を出た瞬間、空気が変わった。

「動け」

それだけだった。

声を張る必要もなかった。

官邸の中枢にいる者たちは、すでに理解している。

これは“検討段階”ではない。

実行フェーズだ。

「危機管理監を呼べ」 「内閣官房長官、すぐに」 「総務、国交、厚労、防衛、全省庁を繋げ」

秘書官が走る。

内線が一斉に鳴り始める。

会議室では、すぐに緊急対策会議が立ち上がった。

議題名は、表向きは無害だ。

――「広域災害想定訓練(未公表)」

だが、誰も“訓練”だとは思っていない。

「非常食の増産」 「米、乾パン、水、医薬品」 「備蓄の前倒し放出計画も並行で」

「各都道府県に住宅供与の打診」 「空き公営住宅、民間賃貸の一時接収案」

「自衛隊」 「輸送能力の再確認」 「航空・海上輸送は段階的に抑制」

次々と指示が飛ぶ。

誰も、理由を聞かない。

聞いてはいけない空気だった。

一方、別室。

「……例の青年の監視は?」

情報担当官が問いかける。

「不要」 首相の判断は即答だった。

「触れるな」 「今は、彼が“動かない”ことが最善だ」

その言葉に、誰も反論しなかった。

別の官僚が、声を落として言う。

「……もし、来なかったら?」

首相は一瞬だけ、目を閉じた。

「その時は、我々が狂っただけだ」 「国民には、そう説明する」

沈黙。

「だが」 「来た場合は?」

誰かが問う。

首相は、はっきりと言った。

「歴史が、我々を裁く」

官邸の外では、夜明けの空が白み始めていた。

何も知らない街が、いつも通りに目を覚ます。

通勤電車が動き、ニュースは平常運転。

経済も、社会も、表面上は変わらない。

だが水面下では、

国家が“最悪”を想定して動き出していた。

その中心にいるのは、

名前すら公表されない、一人の青年。

そして――

その青年は、この瞬間、まだ自宅で、

何も変わらない朝を迎えようとしていた

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