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後悔ばかりの男の逆転人生  作者: れんれん


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153/181

140話 ジャックという青年を調べることから始まる地震対策

対策は、防災会議から始まらなかった。

 地盤。

 断層。

 津波シミュレーション。

 それらはすべて、後回しだった。

 最初に動いたのは――

 「一人の青年の身元確認」。

「彼を知らなければ」 「13時40分の意味も分からない」

 官邸で、首相がそう言い切った。

 こうして始まったのが、

 **非公式・非記録の“人物調査”**だった。

① 基本情報 ――最初の異常

 名前:ジャック.フォン.キルヒアイス

 年齢:23才

妻帯者.妻、白石涼香26才、息子陽生後半月

 ここまでは、すぐに出た。

 だが、その次で、全員が止まる。

 内閣情報調査室の担当が、淡々と告げる。

 日本人ではない。

 だが、外国人でもない。

 それでも――

「在留資格は、合法」 「住民登録あり」 「税・保険、すべて正常」

 “存在してはいけない形で、存在している”

 それが、最初の評価だった。

② 制度をすり抜けた形跡

 在留許可証は本物。

 偽造痕跡なし。

 決裁番号も、形式も、完全。

「特例処理です」

 そう報告が入る。

「理由欄は空白」 「決裁者は、すでに退官」

 つまり――

 誰かが、彼を“通した”

 しかも、

 誰も理由を残さなかった。

③ 行動履歴 ――消える青年

 住所は把握できる。

 勤務先も存在する。

 日常は、極めて普通。

 だが。

「移動記録が、ありません」

 物理法則が、追いつかない。

④ 金融・行動の一致

 投資。

 転居。

 人との接触。

 すべてが、

 **“災害や社会変動の直前”**に一致していた。

 偶然ではない。

「彼は」 「未来を“知っている”前提で動いている」

 それが、会議の共通認識になった。

⑤ 結論 ――地震対策の出発点

 首相は、静かに結論づけた。

「この地震対策は」 「防災計画ではない」

 一拍。

「ジャックという存在への対応だ」

 彼が正しければ、

 この国は救われる。

 彼が誤っていれば、

 それでも備えは無駄にならない。

 だが――

「彼を刺激すれば」 「最悪の未来を引き寄せる」

 その認識だけは、全員が共有した。

極秘方針

接触しない

追い詰めない

だが、13時40分を基準に全て動かす

 国家は初めて、

 一人の23才の青年を“基準時刻”として動き始めた。

 6月24日、13時40分。

 この国の運命は、

 国籍のない青年の言葉に、静かに預けられていた。

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