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後悔ばかりの男の逆転人生  作者: れんれん


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130話 翌朝、病室で起きる“異変”

朝の光が病院の窓から差し込む。

 カーテンの隙間から、柔らかい日差しが差し込み、病室はいつも通りの朝を迎えたかのように見える。

 しかし、ベッドの上の少女は、昨夜とは全く違う様子だった。

 呼吸は安定し、顔色は健康そのもの。

 体の張りも、以前の疲れや苦しさはまるでない。

 腕には針も点滴も残っていない。

 “治療の経過”を示すはずの検査結果も、全て正常値。

 誰もが驚くべき数値を示していた。

「……これは、どういうことだ?」

 主治医の声が、思わず低く震える。

 夜間に行った検査では、明確に悪性リンパ腫しかも末期の状態であったはずだ。

 それが、今、跡形もなく消えている。

 看護師たちも慌てて駆けつける。

 昨夜の入院準備の痕跡も、必要な器材も、全て整合性が取れない。

 カルテと検査データを照合しても、医学的に説明がつかない状況だった。

 医師は再検査を命じる。

 血液検査、画像診断、骨髄検査――

 全てが、通常の健康な少女の数値を示している。

 胸の鼓動を聞き、呼吸を測り、もう一度鑑定を試みる医師もいるが、何一つ異常はない。

「……あり得ない、あり得ない……」

 医師は手で顔を覆い、言葉を呑み込む。

 看護師たちはお互いに目を見合わせる。

 現場は、静かに、しかし確実にパニック寸前だった。

 病室の少女は、全く無邪気に目を覚ます。

 まるで昨日までの苦しみは夢だったかのように、笑顔で母親に手を振る。

 医療スタッフはその光景を、ただ呆然と見つめるしかなかった。

病室には、朝の柔らかな光が差し込む。

 昨日までの不安や痛みは、まるで消えていた。

 少女は元気に目を覚まし、母親に微笑みかける。

 「お母さん、もう大丈夫みたい」

 その声は、はつらつとしている。

 母親も戸惑いながらも、娘の体調の良さに安堵する。

 しかし、頭の片隅では理解できない感覚が渦巻いていた。

「えっと……先生、昨日の夜……えっと、どうして……?」

 母親の声が小さく震える。

 医師は眉をひそめ、カルテと検査結果を見比べる。

 「医学的には……昨日のデータでは、深刻な状態でした。ですが、今は……完全に正常です……?」

 母親は言葉に詰まる。

 少女の回復は、奇跡の一言でしか説明できない。

 事実として体が元気になっているのに、どう口にしていいか分からないのだ。

 少女も首をかしげる。

 「でも……なんで、私、元気なの?」

 昨日までの痛みや倦怠感を覚えているはずなのに、今は不思議なほど軽い。

 何かの夢だったのか、と自分でも混乱する。

 医師は再度検査を提案する。

 血液検査、画像診断、骨髄検査――すべてが正常値。

 「これは……医学的に説明がつきません」

 医師の言葉に、母親は再び言葉を失った。

 病室の空気は、奇妙な静けさと戸惑いに包まれる。

 母親は少女の手を握り、そっと目を閉じる。

 「……信じられない……でも、本当に元気なのね……」

 少女は安心したように微笑むが、心の奥底ではまだ昨日の苦しさが夢か現か、整理できずにいた。

 医師と看護師たちは困惑しきり。

 「再現性は……ないはずだ……」

 誰もが不可解さに頭を抱える。

 そして、誰も知らない――

 この奇跡が、昨夜ジャックによってひっそりと行われた“闇の治療”の成果であることを。

 医学的に絶対にありえない奇跡――

 その事実が、静かに病室に漂う。

後書きという名のお願い

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