表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後悔ばかりの男の逆転人生  作者: れんれん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

130/181

121話 優先購入権の行使

 数日後。

 ジャックはオンラインで届いた正式資料を静かに確認していた。

(発行価格、希薄化率、想定調達額……問題なし)

 数量は多くない。

 だが、確実に影響力を維持できるラインだけを狙う。

「優先購入権、行使で」

 淡々とした返答。

 事務担当は一瞬だけ目を丸くしたが、すぐに事務的な声に戻った。

「承知しました。手続きに入ります」

 ──これでいい。

 派手に買い増す必要はない。

 “残る”ことが大事だ。

非公式の打診

 株式取得が確定した数日後。

 社長室ではなく、小会議室。

 集まっているのは

 社長、COO、CTO、そしてジャック。

「今日は非公式だ。議事録も残さない」

 社長の言葉に、ジャックは軽く頷く。

「こちらから提案がありまして」

 ジャックは、一枚だけの簡素な資料を机に置いた。

「事業拡大についてですが、三点ほど」

① 既存事業の“横展開”

「新規事業に注力するのは賛成です。

 ただ、既存事業の技術を別業界へ転用することで、初期コストを抑えられます」

 CTOが思わず身を乗り出す。

「……具体例は?」

「物流、エネルギー管理、自治体向け。

 “派手ではないが継続収益になる分野”です」

 COOが小さく唸る。

「安定キャッシュフローか……」

② 海外展開は“段階的に”

「一気に出ると、必ず無理が出ます。

 まずは現地パートナーとの共同検証から」

 社長が頷いた。

「攻めすぎない、か」

「ええ。撤退しやすい形が一番強いです」

③ 人材への投資は“見えない部分”に

「表に出る開発者だけでなく、

 運用・保守・教育に回す予算を最初から確保してください」

 CTOが静かに笑った。

「……それを言う株主は珍しい」

「長く残ってほしいので」

 ジャックはそれだけ言った。

会議の終わり

 沈黙のあと、社長が口を開く。

「ジャック。

 君は“口を出さない株主”だと思っていた」

「基本は、そうです」

「だが――的確だ」

 社長は資料を閉じる。

「この内容、次回の戦略会議で“経営側の案”として出す」

 ジャックは静かに立ち上がった。

「それで十分です」

ジャックの内心

(株は持つ。

 口も出す。

 だが、前に出ない)

 異世界でも、現実でも。

 ジャックの立ち位置は変わらない。

“静かに、流れを良くする側”。

後書きという名のお願い

下の★マークのタップと感想とブックマークもお願いします。

今後の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ