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後悔ばかりの男の逆転人生  作者: れんれん


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第12話 五歳、神託の年

五歳になった。

 この世界では、それは一つの節目を意味する。

 神々に礼を捧げ、神託を受ける儀式に参加する年齢。

 子供扱いされていた期間は、ここで終わる。

(……もう五年か)

 早いとも、遅いとも思わなかった。

 ただ、その間に積み上げたものは、確実に“異常”だった。

五年分の探求

 魔法の可能性を、片っ端から試した。

 空間操作。

 探知。

 簡易結界。

 魔力の流れを読む視覚化。

 鑑定の原型。

 どれも完全ではないが、使える形にはなっている。

 そして――

(転移魔法も、だいぶ安定した)

 目視できる範囲。

 空間の歪みを正確に把握できる場所。

 そこまでなら、ほぼ誤差なく転移可能。

 時空を跨ぐには、まだ足りない。

 だが一歩ずつ、確実に近づいている。

神託の儀式

「ジャック、今年はお前も参加するのよ」

 母サリーシャが、穏やかに言った。

「神殿は静かだから、ちゃんと話を聞くのよ?」

「はい」

 父フォニアジークは腕を組み、静かに告げる。

「神託は、祝福とは限らん。

 才能を与えられる者もいれば、役目を背負わされる者もいる」

 兄たちも、少し緊張した顔をしていた。

 辺境伯家の子として、

 神の言葉は軽くない。

(……まぁ、そうだろうな)

ふと浮かぶ顔

 その話を聞きながら、俺の脳裏に浮かんだのは――

(あの、じいさん)

 白い世界で会ったデカいじいさん

 元気にしてるだろうか。

 ……いや。

多分神様なんだろう?

(神に“元気”って概念、あるのか?)

 思わず、心の中で笑う。

 時間も、老いも、

 そんな次元で生きてはいないだろう。

 それでも。

(また会えたら、礼くらいは言いたいな)

 後悔のない人生を。

 そう言って、俺を送り出した存在。

家族との会話

「ジャック、緊張してる?」

 ロンドフェストが、少しからかうように聞く。

「いいえ。少し、楽しみです」

「変なやつだな」

 兄は笑った。

 だが、それはもう警戒ではなかった。

 家族としての距離感だ。

 父は、最後に一言だけ言った。

「何を授かろうと、お前はお前だ」

 短い言葉だったが、

 それで十分だった。

 五歳。

 神に会い、

 言葉を受け取り、

 この世界での立ち位置が、また一つ定まる。

 だが、俺の目標は変わらない。

 時空を超え、元の世界へ帰ること。

 神託が、それをどう評価しようと――

 進む道は、もう決まっている。

 そんなことを考えながら、

 俺は家族と共に、神殿へ向かう準備をするのだった。

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