第11話 魔法の可能性、その先へ
その日一日、俺の頭は静かに熱を帯びていた。
森での出来事。
オーガ。
空間断絶。
(……すごい、のか?)
一瞬、そんな考えが浮かび――すぐに消えた。
どうでもいい。
強いか弱いか。
危険か安全か。
そんな評価は、今の俺には意味を持たない。
それよりも――
(魔法には、まだ“先”がある)
その事実が、胸の奥をじんわりと満たしていた。
空間断絶という一例
空間断絶。
空間を斬る魔法ではない。
空間を壊す魔法でもない。
「繋がりを、最初から存在しなかったことにする」
たったそれだけの発想で、
結果は、オーガの完全な無力化だった。
(この理屈、応用できる)
距離。
接触。
干渉。
それらを“断つ”だけで、
攻撃にも、防御にも、制御にもなる。
それが意味するところは――
魔法は、発想の数だけ進化する。
どうでもいいこと
この魔法が、どれほど凄いのか。
他の魔術師が使えるのか。
使えないのか。
それも、どうでもいい。
比較は、思考を止める。
俺が見たいのは、
到達点ではなく、可能性そのものだ。
未来を思い描く
ふと、考えが広がる。
(空を飛ぶことは?)
空間を足場にすれば、理論上は可能だ。
(鑑定は?)
対象と情報を“繋げる”だけでいい。
(結界……探知……)
遮断。
接続。
範囲指定。
全部、同じ根っこに見える。
魔法体系は、点ではなく線。
線は、やがて網になる。
ワクワクという感情
胸の奥が、少しだけ軽くなる。
前の人生では、味わえなかった感覚。
結果を出す前に、
未来を想像するだけで楽しいという感覚。
(……悪くないな)
可能性を追いかける毎日。
それは、後悔だらけだった前世とは、
まるで違う道だ。
その夜、俺は久しぶりに“目的以外の理由”で眠りについた。
強くなるためでも、
隠すためでもない。
明日が楽しみだから。
魔法の可能性は、
まだ始まったばかりだ。
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