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第7話 いじめと決意

王太子が自分の教室へ戻り居なくなると教師が見ていない所で、クラス全員での数々の嫌がらせ、無視、罵詈雑言の嵐、休憩時間には邪魔と言わんばかりに、ご主人様を小突き、わざとらしくぶつかり転ばせるなど……   



――下校時間までいじめは続いた……



公爵家は王家に連なる爵位だ。その公爵令嬢に対して喧嘩を売っている行為を俺は見過ごす訳にはいかないが、


――何より、慈悲に満ちたご主人様を…… 自分の事よりも、いじめをしている連中の家の事を考えているのだろう…… このいじめが表沙汰になり、大騒ぎとなってしまったら、セトリック様とマリーヌ様の怒りの報復でヤツらの家がどうなるかわからない。もし、ご主人様を可愛がっている王族が、さらに絡んできたら貴族位の剥奪、財産没収、最悪、不敬罪で処罰にされるだろう…… 俺にとって、ヤツらは自業自得であり、ざまぁ展開なのだが…… きっとご主人様はそんなことを望んではいないであろう……



ご主人様は、こんな学校生活を送って来たのだ。優しい両親、使用人にも言えず、自分の心につらい想いを飲み込んで来た気持ちを考えると………… 俺は……



――お前らの顔と魔力は覚えた! お前ら絶対に許さん! 許さんぞぉおお!!……




学校が終わり王都にあるお屋敷に帰る。馬車の中では、レイニーと楽しく会話をしていたが、ご主人様の心情を考えると非常に居た堪れない気持ちになる……



お、俺が…… 俺がヤツらに、目に物を見せてやる!



お屋敷に着き急いでカバンから離れ、ご主人様の自室へ駆け込んだ。


しばらくするとご主人様が部屋へ入って来た。


「レイニー、久し振りの学校だったから疲れたみたい… 少し休みたいから一人にしてもらえるかしら?」


ご主人様はレイニーさんに顔を背け、そう言うと目に涙を滲ませていた。


レイニーさんは何かを察したのか静かな声で


「わかりました。お嬢様、何かお悩みがあるのであれば、何でも私にお話し下さい」


悲しそうな顔をしたレイニーさんは、そう言って静かに部屋を出て行った。


レイニーさんが部屋を出るとご主人様は、俺を抱きしめ、部屋の外に聞こえないよう声を殺して泣き出した。



「うぅわわわわわわん! 折角、魔法が出来るようになったのに……」


――ご主人様には申し訳ないが、俺は冷静に魔法発動を禁止にしておいて良かったと考えていた。ご主人様の感情が乱れた状態で魔法を使えば魔力の暴発により、学園全体が消滅して大惨事なっていただろう…… 


それだけ、ご主人様の魔力は膨大なのだ!  ――おそろしい子!


ご主人様が泣き止むと俺はある行動に出る。ご主人様の手から離れ、ベットの上に乗り仰向けになった。


「キュウー! キューウ! キュウーー! 『我をモフるが良い!』」


ご主人様は、俺の言っていることがわかるのか、俺の胸に顔を埋めた。激しいモフモフと強烈なたぬき吸いだった! 俺は堪らず声を上げた。


「キュウ! キュウ! キュウ~! 『もうやめろ! やめてくれ!』」


ご主人様の強烈なモフモフの洗礼を受け、グッタリとした。


「ハルタン、ありがとう! 悲しい時はハルタンのモフモフは最高の気分転換だわ!」


ご主人様の声は少しだが明るくなったような気がした。こんな俺でもご主人様の役に立てて良かった…… 毛並みはぐしゃぐしゃになってしまったが……



――あとは……

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