第一話 絶望の目
300年前、アメリカに魔族という生物が発見された。魔族は人間の姿と似ているが、違う点は角が生えていて黒い肌で、皮膚がとてつもなく硬いことだ。魔族は10年足らずで、アメリカ大陸を制圧した。
人類が諦めかけていたその時、能力を持った人類の進化系と言われるEVOLの人間が現れた。そして、そのエボルの人間でも世界最強の4人のことを四神と呼んだ。四神はそれぞれ4つの神器を持ち、世界を守るために、日々魔族と戦っている。
「俺は、四神に将来なりたいんだよね。」
と、幼馴染の拓哉が、ブランコに乗りながら言った。
くだらない。なぜ、みんな四神になりたいというのだろう?俺はなりたいなどと一切思わない。家族がいるのに、、、
「お前はなりたくなさそうな顔しているよな?」
「当たり前だ。家族がいるのに、わざわざ死にに行きたくないよ。」
「つまんねえの。俺は家に帰るぜ。お前も暗くなる前に帰れよ。」
拓哉が帰った後も、俺はブランコに座って考えていた。(バカみたいだ、、、)
この戦争が始まって300年経つ。アメリカ大陸に近い日本は、最前線国としてたくさんの人が死んだ。数々の都市が壊滅し、町は浮浪者があふれている。お父さんも5年前の魔族襲来の時に死んだ。
俺は死ねない理由がある。お母さんを傷つけたくないからだ。ここまで、女手一つで育ててくれたお母さんの悲しませたくないからだ。そう思って空を見上げていると、、、突如ビルが爆破された。
ブーーーーーーーーーーーーーー
魔族襲撃サイレンが鳴った。その時、公園の曲がり角から拓哉の叫び声が聞こえた。俺は、急いで叫び声の聞こえた曲がり角を曲がると、、、魔族が拓哉を銃で殺そうとしていた。
「なんだこのガキ?こいつの友達か?」
(魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族魔族)
俺は体が固まってしまった。
「柳!!俺のことはいいから逃げてくれ。」
拓哉がそういうが、俺は魔族を見た瞬間から足に力が入らなかった。心臓の音が聞こえる。何も考えれない。視界が揺らいで見える。俺はパニックになった。
「そこのお前、いい顔をしているじゃないか。怯えている。特別に友達は銃ではなく、ナイフで殺してやる。友達が切り殺されるところをよく見とけよ。」
拓哉が殺されるとわかっていても俺はなんもできなかった。立ち向かうことも、逃げることも。
何もできない。急に自分に怒りにわいてきた。自分が守らなければという使命感が出てきた。
こいつを殺して、拓哉を守るために
その時、俺の体が熱くなり、虹色に光った。
学校の授業で習ったことがある。エボルに進化するとき、人間の体は虹色にひかり、体が熱くなる。
俺は思った。この魔族を殺せると。今の俺なら、拓哉を殺せると。
「お前を殺す。」
俺は、とてつもなくスピードで魔族の顔にパンチを食らわせた。しかし、
「スピード強化の能力かよ。びっくりしたぜ。まあ、どんな能力でも子供相手なら勝てていたけどなぁ。」
そういって魔族は拓哉の首を掻っ切った。
「次はお前だ。」
俺は、地面に倒れた。終わったと頭の中で思った。エボルに覚醒しても、拓哉を守ることができなかった。ダメージすら入らなかった。俺も殺されるだけ。自分が無力だ。そう思った。誰も救えない。もう生きる意味などない。
「あの世では幸せになれよ。」
逃げなければ。魔族が言うには俺の能力はスピード強化らしい。逃げ切れるかもしれない、、、馬鹿らしい。わかっている。お母さんも死んでいると。爆破されたビルはお母さんの勤めるオフィスがあるのだから。お母さんも巻き込まれているだろう。
たとえ生き残っても、家族はいない。物乞いとして野垂れ死んでいくしかないんだ。それなら、ここで魔族に殺された方がいいのだと。魔族がナイフを上げて、俺を殺そうとしている。俺は目を閉じて思った。早く殺してくれと。
「死ねっ」
その時、魔族の首が切れて地面に落ちた。
「101体目」
俺の前に男が立っていた。テレビで見たことがある。日本の四神。清流:草薙春也。清流の剣を扱うもの。そして俺の命を守った人。死なせてくれなかった人。
「お前、俺と同じ目をしている。」
急によく分からないことを話し始めた。
「何のことですか?」
男はゆっくり話し始めた。
「お前は絶望している目をしている。」