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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

幸せになるはずだった

作者: 白桜

私の名前はりり!小学五年生!

私は最近少女漫画に憧れている。

私もあんな大人な恋愛した~い

「明日五年生の子に告るんだ」

はぁ五年生の子って誰だろ…羨ましいなぁ



~次の日~



「君は女神な」

…!?////

い、今のなんだろう…聞き間違えかな?

そういえば昨日の帰り道、五年生の子に告るって言ってたな…

もしかして…?

いやいやいやいや!そんなわけないよね!

きっと他の人に言った言葉が聞こえちゃっただけだ!!



~また次の日~



今日は大掃除!机を廊下に運ぶの!

机重たいな~…

「大丈夫?重くない?」

えっ!この声は!?昨日の人っ!?

重くない?って聞いたわりにはどこか言っちゃったけど…

なんだったんだろう…





あれからまた何か言われた感じはしたけどなんて言ってたか思い出せない。

そして何もないまま先輩は卒業してしまった。

ずっと頭の中でモヤモヤしている。

あの言葉は誰に向けてなのか、たまたま私の耳に入ってきただけなのか。


思い出せない。

過去だから美化されちゃったのかもだけど、一番はじめて聞こえた言葉には先輩の友達一人と私の友達一人、四人しかいない空間に思えた。

もしかしてっ!?いやいやいやそんなわけないよね!!





私は六年生になった。たくさん間違えたしたくさん迷惑もかけちゃった。きっとクラスのみんなからは嫌われていただろう。





中学生になった。

小学校のお友達はみんな違うクラス。私は一人ぼっち。

六年生の時に嫌われていた人が隣の席。

私は一人ぼっちになった。部活でお友達?はできたけどそこまで仲が良いとは思えない。

先輩は二年生だ。きっと私の事なんて覚えていない。でも先輩の姿がどうしても見たくて、近くにある理科室に行く授業の時間帯をメモした。もちろん体育の時間も。

廊下に出て、下の階を見て、先輩の姿を見れた時は嬉しかった。

私は放送委員会に入った。お昼の放送で自分の名前を言う。もしかしたら来年先輩が放送委員会になってくれると思って。


時は夏。

部活で全生徒に梅ジュースを配る事になった。先輩は野球部だ。野球部のところに行ったら先輩が私の梅ジュースを飲んでくれるかもしれない…!!!

楽しみだなぁ…

やっと今日は野球部だ。先輩、私の飲んでくれるかな…?

と期待が最高潮に上がっていた。だが先輩は私の梅ジュースを飲まなかった。


梅雨だ。野球部は雨になると美術室前の廊下を走る。

私は美術部だから雨になると先輩が廊下を走っているところを見れる。

窓から見たり、トイレに行くふりをして先輩を見る。

やっぱり先輩は目の保養だ。好きだなぁ。



二年生になった。

友達がいない生活は退屈で私はネットにのめり込んだ。

ネットの人達は優しくて私といっぱい話してくれる。

現実とは大違いだ。

私はまた放送委員会に入るために立候補した。そしたら被ってじゃんけんになった。絶対この勝負は負けられない。

もし私の思った通りだったら先輩は放送委員会に入る。

じゃんけん…ぽんっ

勝った!!これで先輩とまた会えるかもしれない!!同じ委員会なら話題ができるかもしれない!!!



第一回放送委員会会議



まず委員長を決めます。委員長になりたい人は挙手してください。

「委員長か~私には関係無いな」

では委員長候補の方々自己アピールしてください。

「清水 陵です。」

清水陵…!?えっ!?先輩!?まさか本当に入るとは思ってなかった…顔があつい…どうしよう…先輩の顔見れない…!!!

あ…自己アピール終わっちゃった…名前以外何も覚えてないや…

それにしても毎回委員会の時にこんなに心臓バクバクだったら辛いなぁ…




私はいじめられて不登校になった。

そしてネットの人たちと話す日々。

先輩のことはたまに思い出す。思い出すとドキドキする。

すごい胸が高鳴る。この気持ちを知ってもらいたくてネッ友にメールを送った。私のこれまでのドキドキを。

そしたら少女漫画みたいって言われた。

私が憧れていた少女漫画の主人公みたいだと。

嬉しかった。でも同時に悲しくもある。先輩とはもう二度と会えないのだ。





週に一回朝だけ学校に行く。駅で朝御飯を食べていると先輩に似た顔の人がこっちをじーっと見ていた。妹もいた。ネズミーランドの袋を持っている。

そういえば先輩には妹がいる。六年生の時、一年生の入学式に同席した時、先輩の姿が見えたのだ。そして清水が名字の女の子が式で呼ばれていた。

きっと先輩の妹だ。

でもこの今私が見ている先輩に似た顔の人はきっと先輩ではない。

なぜなら先輩は背が大きいからだ。この人は背が小さい。だから違う。多分違う。小さく思えたのは確かだ。でも妹がいた。先輩…?だったのかな…?

もう二度と会えないって思ってたけど似た顔の人が見れただけでもう私は幸せだ。

幸せすぎてネットでまた会いたい…なんて言ってしまった。




中学校を卒業して、高校生になった。

高校も退屈でネットだけが私の居場所。

先輩には絶対会えない。もう先輩の顔が思い出せない。聞こえた言葉、それだけしか先輩が思い出せない。

せめて顔だけでも思い出したい。

そんな時だった。駅を歩いていたら先輩に似た顔の人を見つけた。

あぁ先輩の顔、まだ覚えていたんだ。でもきっとこの人は先輩じゃない。





あれからまた先輩が忘れられなくなった。会いたい、会いたいよ…そう思って月日が流れる。会えるわけないのに、こんなこと思ってたって無駄なのに。




社会人になった。先輩に会えないままなってしまった。

もう生きるのも疲れた。何も考えたくない。

昔と変わらず現実は楽しくない。ネットも飽きてしまった。

私はここ数年楽しさを感じていない。

いなくなってしまおう。何度も頭を過った。

でも先輩の姿がまた見れるかもしれない。そう思って、一つの光を目指すように生きてきた。先輩の、過去の幻影にしがみついていた。

でももうそれも限界だ。

私は屋上に一人いる。先輩を思い出す。涙がポロポロ出る。

あぁ久しぶりに泣いたなぁ最後に泣いたのいつだっけ。

もう思い出せないや。

月明かりが私を照らす。

地面にはたくさんの命がある。

そして私はその命に抱かれるかのように、人々に祝福されるかのように。吸い寄せられ冷たく、明るい場所へ落ちていった。



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