伝えたい(Side大翔)
「…言葉に、できない、そのくらい。…どうしようもないほど、好き、だ。」
大石が、走り寄った先に戸塚の姿を見つけて、イラっとした。
俺が一緒にいるのに、あっさり戸塚の方へいってしまうのが、悔しい。
中学の頃からずっと戸塚に嫉妬している。
幼馴染だと、彼女の隣に当たり前のようにいられることが、うらやましくてしかたない。
そんなどろどろした気持ちも、好きだという想いも、全部伝える。
伝えてしまえば、ひどく心がすっきりして軽くなる。
こんな俺のことをまだ好きでいてくれたことが嬉しくて、涙をこぼす姿が愛しくて、衝動のまま、彼女を抱きしめる。抱きしめてしまった。
腕の中にすっぽり納まった彼女は、想像よりも小さくて華奢で、ひどく扱ったら壊れてしまいそうに思えた。
「もう一度、俺と付き合ってほしい。」
そう伝えると、腕の中で彼女は、頷いた。何度も頷いてくれた。
早鐘のようになった俺の心臓は、なかなか治まらない。
どのくらいそうしていたのか。
花火の打ちあがる笛の音が聞こえて、人々の喧騒が大きくなった気がした。
自然と夜空を見上げる。
境内に植林された木々の上に、大きな音とともに大輪の花が咲く。
「きれい。」
腕の中にいた大石も、同じように空を見上げていた。
花火の光に照らされた、その微笑みがきれいで。
(もう絶対に、この手を離さない。)
そう心に決めて、つないだ手にそっと力を籠めると、ぎゅっと握り返された。
俺は、この日の花火と大石の微笑みを、ずっと忘れない。
『言葉に、できない、』を、読んでいただきありがとうございました。
駆け足でここまで書き上げました。
璃亜と大翔がお互い気持ちを伝えあったところで、一度、完結としたいと思います。
追加したいエピソードもまだありますので、今後、ちょこちょこ更新するかもしれません。
誤字脱字や語彙の少なさ、拙い表現なども多かったことと思います。
日々精進してまいりますので、あたたかく見守っていただけますと幸いです。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
Maya.Kamimuro




