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心の間

心の間3

作者: ゆき

その後、輝さんは自宅で発見された…完全に心が壊れていて、今は病院にいるそうだ。警察は輝さんの殺人について調べているそうだ。政府は、2人目の被害者が出たことで、とうとう対策本部を立てた。だが、何も進展がないまま、月曜日を迎えた。


《レディースエンジェントルマン!

久しぶりで〜す♪

元気でしたかあ?

今回の犠牲者は…こちら!

東京都からおこしの総理大臣、凰牙さん》


…へー、そうなん…っは…!?凰牙首相…!?


私は思わず驚いた。凰牙首相といえば、30歳という若さで首相に上り詰めた、今の日本の総理大臣だ。


(これは…?何が起こって…。いや、これが、これこそが今問題となっている事件か…。昨日の夢に見た、という証言とも、他人の声が聞こえる、という証言とも一致する。どんなカラクリだ?今目の前にふよふよと浮かんでいるのは私の思考か。ふむ。)

(執務を始めるところだったのに…邪魔が入ってしまったな)


「すまない。私は今から執務があるのだ。できれば手短に頼む。」


《おお〜。

今回の人はあまり驚かれないのですね!

やりやすいですが、面白みがありませんね〜

残念です!》


「…」


(それにしてもこれは一体どうなっているのだろうか?確か証言によると、体はそのままで意識だけどこかに行っているような感じらしいな。ふむ。)


「そろそろ返してくれないだろうか。それともどうやって私を連れてきたのか事細かに話してくれるのかね?」


(こんな機会は滅多にないし、本来ならば情報を持ち帰ったほうがいいが…

今私が機能しなくなったら日本は必ず混乱する。せめて身の安全だけでも守らねば捜査しようにもできないか…)


「どうなのかね?」


《まあまあ、そんなに焦らずに♪

まだまだこの劇は始まったばかりですよ?

ところで、あなた…まさか脱税なんて、賄賂の受け取りなんて…してませんよねえ?》


「…」


(…まずいな。完全に相手のペースに乗せられている…。手遅れになる前に動かなければ…!あぁ、こんな時に木刀があればなぁ…)

(んな!?なぜそれを…!口封じしなければ…殺すか)

(これが他人の声、か。だいぶ心にくるものがあるな。先ほどまで頑張れとかが多数だったのに死ねとかが多くなっている)


その瞬間、凰牙首相は強く地面を蹴り、"マスター"に急接近した。


そして、そのまま勢いをつけて腕を横に大きく薙ぎ、マスターの首に突きつけた。その手には木刀が握られていた。


(は!?木刀?!)


確か凰牙首相は剣道を嗜んでいたはずだ。だからといっていつも持ち歩いているわけではない。そもそも先ほどまで持っていなかったはずだ。どこから出てきたのだろうか?凰牙首相の心の声も焦っているようだ。ということは意図的ではない?


(まあ、いい。これはこれで好都合。いやでも、これ消えたりしないよな?急に消えたら相手の技量によっては負け…)


その瞬間、木刀は消え、凰牙首相は吹き飛ばされた。


(まずっ!)


「がはぁ!」


勢いよく壁に叩きつけられ、そのまま倒れた。


(致命傷か…?)


「ぐふっ!?」


そして凰牙首相は致命傷を受けたようにその場で痛みに悶え始めた。


《あらあら、おやまあ。

自分で自分の首を絞めてやんの〜♪

そのままじゃ、あなた死んでしまいますよ〜?》


(え…死ん…)


その後、凰牙首相はピクリともしなくなってしまった。


《ふふふ!

ふふふふふ!

これで心の間、閉幕です!

面白い、実に愚かだ!》


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