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異能家の食卓。
あいつの朝はいつも早い。
そこまでしなくていいって言われても、ガキの頃から変わらない。
夜も遅くまで、電気ついてるし。いつ寝てるんだろ?
あいつが好きでやってんなら、俺が口出す事じゃないから
兄貴達みたいに口煩くはいわない。
一度、弁当もういらねえから、作らなくていいって言ったら、
すげー悲しそうな顔したあと、また笑ったんだよな。
あいつ。
「そっか、ごめんね。わかった。明日からはナシね」
その顔見てた兄貴達にその後ボコボコにされた。
俺これでもイケメンで通ってんだけど、見るも無惨に
ボコボコにしていただいたよ。
あいつの事に関しては容赦ねぇから。
ウチの兄貴達は。
ウチのだいじな大事なお姫様なんだから。
双子なのに扱いの差に納得いかないけど、あいつだしなぁ。
今日もウチのお姫様は朝早くから台所で小動物のように動き回っているわけですな。
多分、自分の弁当と俺たち家族の朝ごはん+弁当と。
まぁ、それがちょっと一般家庭とは違うウチの日常の始まり。