第四話:道案内
第四話「道案内」
祈璃亜と女性は村へと出る
道を静かに歩いていた。
バサバサッ―
突然、木々から鳥たちが
いっせいに飛び立った。
その音に驚いた女性は
きゃっ…と小さな悲鳴をあげ
祈璃亜の腕に抱きついた。
「………///」
祈璃亜は思わず赤面してしまう。
「あ、あの…ごめんね…っ」
女性は、はっと気が付いて
恥ずかしそうに、祈璃亜に謝った。
祈璃亜は「だ、大丈夫だよ」と
言って、照れながらも微笑んだ。
「良かったぁ…。
あ、そういえば…
まだ名前、言ってなかったよね?」
女性は、一安心したあと
名前を名乗ってなかったことを
いまさらながらも思い出した。
「あはは、そうだったな。
俺は、碧瀬 祈璃亜だ。」
「私は、宮野 結衣。
よろしくね、祈璃亜君。」
そう言って微笑む、結衣。
祈璃亜も、微笑んだ。
「あ、ほら…着いたぞ。
ここから、少し歩けば
ちゃんと村に着くからな。」
そう言って、村へと繋がる道を指差した。
結衣は「わかった」と言って歩き出した。
そして、数歩歩いたところで
突然、祈璃亜のほうに振り返り
祈璃亜を、しばらく見つめてから
「今日は、本当にありがとう。」
と、優しい笑みを浮かべながら言った。
祈璃亜は「あぁ」と言いながら
微笑み、手を振った。
結衣も同じく手を振ったあと
村へと走っていった。