ショーテスト・ソード0.1^XII
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★★★★★ ついに登場!六年の時を隔てて吹き荒ぶ、極小剣界の新たな風
この日を待ちわびました。
極小剣技術におけるトップランナーである〈シーペルト魔力素材研究所〉が、あの伝説の極小剣……〈ショーテスト・ソード0.1^XI〉を発売してからどれだけの月日が経ったか、皆さんは覚えておいででしょうか?私は記憶しています。毎日カレンダーを捲るたびに、日付を逐一メモしていましたから―――二千三百、飛んで六日です。閏年を考慮しないとすると、実に六年と百十六日の間、我々極小剣ジャンキーはシーペルトが新技術を発表するのを今か今かと待ち構えていたのです。
時には不安になることもありました。だって、〈ショーテスト・ソード0.1^X〉と〈ショーテスト・ソード0.1^XI〉はわずか三か月のスパンで発表されたんですよ?三か月の後に六年を置かれては、ひょっとしたらそれが七年や八年、もしかすると永遠になってしまうかもしれない……なんてよくない想像も巡るものです。
シーペルトが二年目あたりから全然メディアに顔を出さないようになったのも、もしかしてこのまま消えていくんじゃないかと少し不安でしたけど、それだけ研究に没頭しているからなんだろうと好意的に捉えました。
ただ希望を持ち続けて、シーペルト以外のメーカーが稀に発売する極小剣たちにも飛びつきました……鍛冶に長ける第七勇者様が道楽で作ったという〈星塵聖牙〉の発表会に足を運びましたし、〈シャイニング・バランス〉に登録されている剣の中で最低の平均評価を持つという〈ダルカイン商会〉の〈旋斬風刀〉も発売日に買いましたし、「小さすぎて見えないだけです!」を宣伝文句に売っていたけど後日実際は存在しなかったことが判明した〈キングラッダー〉にも少しばかり出資したのです。とにかく、いつかカレンダーをしげしげと眺めなくてよくなる「その日」が来ることを待ち続けらのです。そして、ついに、「その日」が、やってきたのです。まったくもって、発売してもらえただけでも感謝するほかにありません。
製品そのものについてのレビューに移りましょう。
先ほどまで、私は『6年という長い月日を経て』といった書き方をしていました。しかしこれはフェアではないとも言えます―――6年どころではない量の技術革新が、この〈0.1^XII〉には込められているのです。ですから、改めて全体として見れば、6年かかった製品でも、むしろ随分短く済んだなと感心するほどです。
全長は0.00027294088ナルト(有効数字8桁)。〈0.1^XI〉が0.0091332918ナルト(同じく)であることを考えると、0.00001ナルトの縮小でも革命であるといわれるこの界隈におけるこの製品の物凄さがわかるでしょう。魔法陣圧縮技術の観点で見ても間違いなく革新であり、最先端を行くシーペルトの自信が伝わってきます。
でも、〈ショーテスト・ソード0.1^XII〉が真にすごいのはそこじゃないんです……私が思うこの剣で最も革新的な点は、搭載されている〈段階縮小〉機能です。この機能は物凄いですよ……・「武器本体を部分的に魔動具扱いにする」ことで、どんどん小さくなっていく剣を実現しているんです。実際に観測系魔容具を使って試してみたところ、1か月で全長が0.0000001ナルトほど小さくなったのが確認できました。
何だ案外少ないな、と思う方もいるかもしれませんが、極小剣は「世界で最も確度の高い」武器種とよく言われます―――人間が死のうが数千年たとうが、この剣はただ縮小を続けていくのです。
シーペルトはこの機能から、当製品を従来の極小剣とは違う縮小剣であると定義しています。毎秒僅かに世界記録を更新し続けるこの剣よりもっと小さな剣を作るには、単純に小さい極小剣を作るか、あるいはこの剣より速いペースで小さくなる縮小剣を作って追い抜くのを待つか……という二通りが考えられるわけです。そしてどちらにせよ、それを成功させる可能性が一番高いのは、他ならぬ〈シーペルト魔力素材研究所〉そのものであろう―――と、私はそう考えています。
いずれ絶対に来るはずの〈ショーテスト・ソード0.1^XIII〉の発売までは死ねないと思えば、〈膨落迷宮〉での探検も慎重になるというもの。あと何年かかるかわかりませんし、それまでにいくつの魔王が現れ、いくつの危機が訪れるかわかりませんが……
絶対に生きぬけて見せる。
私は、そう決意しています。
★☆☆☆☆ オレンジが切れない
オレンジが切りたくて買ったのに小さすぎて切れない
ウキウキで用意したちょっと良い皿どうしてくれるんだよ
ゴミ




