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蔦の絡まる童話達
現実逃避的な内容です。苦手な方はお控え下さい。苦情などは一切受け付けません。
割れた、コンクリートが見える。
紅の大空は金色の綿を散りばめていた。
世界が、朱に、染まる。
世界ガ、朱二、染マル。
セカイガ、シュニ、ソマル。
また、誰かの呼ぶ声がする。
誰だ。
何なんだ。
目の前の建物が目に入る。ひび割れた、大きな、蔦の絡まった建物だ。
その中から、声がする。
『イラッシャイ。キリ。不幸ヲ呼ブドロシー。クスクスクス…』
嗚呼。誰なんだ。
呼ぶな呼ぶな呼ぶな!!
また、呼ぶ声がする。