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第13話 切り裂きジャック(2)

「まあまあ、楽しいのは良いことだし……。けれども、夜道を歩こうと考えるのは宜しくないかな?」


 言ったのはエルザさんだった。

 正確には、助け船を出してくれた、と言えば良いだろう。

 純粋に有難いことだ。僕がずっと話を進めていたら、どうしたら良いのか皆目見当が付かなかったし、永遠に収拾が着かないだろうから。


「じゃあ、どうすれば良いと思う?」

「どうすれば……って。ちゃんと許可を貰えれば良いのではないかな、と思うけれど。でも、高校生には難しいんじゃないかな、夜遊びの許可を貰うなんて言うのは」

「そりゃあそうだけれど……」


 ってかエルザさん、あなたも同じ高校生ですよね?


「まあ、正確には未だ高校生ではないのかな? 一応、夏休み明けから通学することになっているのだし」

「確かに」


 そこで納得するのもどうかと思うけれど。


「でも、どうすれば良いのやら……」

「例えば、の話だけれど。切り裂きジャックが出てきたと言われている場所を、昼間でも探してみるのはどうかな。何か、ヒントが見つかるかもしれないし」

「……それは良いアイディアかもしれないね」


 というか、今の僕達にはそれしか出来ないのかもしれないな。

 一応優等生で謳っている訳だし、昼休みのしおりに書かれている(はずの)ルールを破ってしまうのは不味い。誰にも見つからなければ、それはそれで問題ないのかもしれないけれど、警察に見つかって補導にあってしまっては非常にヤバイのだ。先生から大目玉を食らうだけではなく、今後内申点に関わってくるだろうし。


「ええと、切り裂きジャックが出現すると言われている場所は……」


 スマートフォンで切り裂きジャックについて検索しているようだ。


「切り裂きジャックは……、旧刑部山トンネル近くの集落で姿を見せるようだけれど」

「旧刑部山トンネル? ……聞いたことないな」

「刑部山は知っているでしょう? そこを貫くトンネルらしいけれど。行くとするならバスかな……。でも、そんな遠くはないと思うけれど」

「それじゃあ、明日かな。今日行くのはもう厳しいだろ。それこそ、全員親に叱られかねない」

「……あんたの言う通りね」


 素直に受け入れるんだな、ひかり。

 まあ、ごねられても困るのだけれど……。

 という訳で、今回はこれで打ち切り。明日改めて、切り裂きジャックの目撃談があると言われている集落へと向かうこととするのだった。


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