プロローグ
これは、私のハマっているアプリを参考に、オリジナル設定で書き始めたモノです。よく似たゲームに“エ○ゼロ”がありますが、それをモチーフに、オリジナル要素を加えたモノが元のアプリです。そのゲームに、しっかりドライバーを描写したくて、書き始めました。是非ともご覧ください!
西暦25XX年、春。
地球の化学は、とんでもなく発展していた。
リニアモーターの車、自転車。
他の惑星へ行ける航空機。
喋る動物、虫。
そして、F-1 を超える F-X マシン。
かつて車だった頃、20XX年 の世界では、
GM BLACK-X
(グランドマスター・ブラックエックス)
という、3,000馬力のモンスターマシンは存在していた。
3,000馬力もパワーがありながら、軽やかに曲がり、F-1 マシンすらも全く歯が立たないと言われた代物だ。
しかし、いま存在する F-X マシンは、
馬力にすると、だいたい 10,000 馬力!
まるでロケットのエンジンでも積んでいるのでは?というくらいバカげたパワーを持つ。
それでいて、リニアモーター。車とは形も違えば、かなり独特な動きをする。
そして、20XX 年の頃とは違い、重力無視のコースばかりが存在する。
それ故に、重力操作の技術も必要であり、F-1 や、かつてのブラックエックスとは次元が違う。
………そのレースを観戦している1人の女性。
ベムーナ・ファルメス、21歳。
茶髪セミロング、細い茶色の眉、群青色の眼球、高い鼻、鮮やかな赤い唇。薄いピンク色の半袖ワイシャツを着て、胸の谷間が少し見えている。スラッとしたスーツパンツ、赤茶色のハイヒール。美人秘書みたいな格好である。
そんなベムーナだが……
「サングラーは、やっぱり“純粋技量”が素晴らしいわね! だけど、毎度の事ながら、“ショートカット魔” の滋曲には負ける…ショートカットも上手くなったら間違いなくピュピアスさんには届くのよ…!」
…かなりのレースヲタクだった。
「ピュピアスさんは安定の1位…! やっぱり凄いわ…!」
……と、メチャクチャ語っているベムーナの隣に、幼馴染みの“クラメブラル・セランバリ”がいた。
「相変わらずアンタ見てると面白ぇよ♪」
背中の真ん中あたりまで伸びている金髪ロング、細い金色の眉、少し低めの鼻、薄い赤のラメ口紅が塗ってある唇。服装は同じように、秘書じみた格好で、色も全く同じ。靴も赤茶色のハイヒール。服をお揃いにするくらい仲良しの様子。同じく21歳。
「クラン、あなたも絶対この世界にハマると思うのよ♪ 何せお互いに免許あるし、ね?」
ベムーナには『クラン』と呼ばれている。
「まぁねぇ。でも、アタシはレース出る気ねぇかな。見てんのは楽しいけどね!」
「私もレース出る気は無いけど…最近ちょっと迷ってるんだよね…」
「なら、出てみるのも良いんじゃねぇの?」
「いやいや、確かに運転は好きだけど…」
ベムーナは、まだ免許取りたてで、安全運転ならまだしも、レーシングの技術は無かった。
だからか、参戦意欲がありつつも、参加できない。
「はぁ…。私も、サングラーや滋曲、ピュピアスと一緒に走れたらなぁ…」
そんな時、観客席の販売員が通りかかる。
「何か飲みますか? ジュース、それともお酒?」
「私は…コーラでいいかな」
「じゃあアタシもそれ!」
「コーラ2つですね? どうぞ!」
素早い手付きでコーラを2人に渡すと、その販売員は、話を聞いていたらしく、
「そういえば、キダンドゥさんはご存知ですか? 茶髪のお姉さん」
唐突に話しかけてくる。
「ちょい! アンタね、仕事中に話しかけ…」
クラメブラル(以後、クラン)がそこまで言った時、ベムーナは目の色を変えた。
「キダンドゥさん!? はい、確か今では引退してしまった“初代チャンピオン”ですよね!?」
話に食いついたのだ。
「はい。そのキダンドゥさんが、今ではレーシングのコーチをしていまして、教室があるんです。良ければそちらで特訓しませんか?」
「ホントですか!? はわぁ、キダンドゥさんに会える…のもそうだけど、初代チャンピオンだというなら間違いなく上手くなりそう! お願いします!」
とんでもない変わり様に驚くクラン。
「はぁ…。…なぁ、ベムーナ…」
と、ため息まじりに話しかける。
「ん、何? クラン」
「もしアンタがレース出るなら、アンタの第一のファンはアタシだ! それ以外だったら許さねぇからな?」
と、幼馴染みだからなのか、最初のファンになる宣言をしてくれた。
「ありがとう! …どこまで出来るかは分からないけど、憧れのピュピアスさんに辿り着けたらいいなって思う…! 頑張るよ!!」
これは、ファンからレーシングドライバーになった女性、ベムーナ・ファメルスの物語……ーーーーー