江頭、出川のどんとこい!!
「何を言ってんだ‼嘘だよ、母さん。僕はいじめられてない。」
出川は取り乱して大声をあげた。
「ね。僕が嘘をついてたらこんなに取り乱さないでしょ。それに、こんなたちの悪い嘘つきませんよ。何の得にもならかないし。」
「嘘つくな!!母さん僕を信じて。」
おばさんは少し考えて
「のんちゃん。子供を信じない母親なんていないわ。大丈夫、母さんはのんちゃんを信じてる。」
出川に安堵した空気が流れた。
「江頭くん、教えてくれてありがとう。何があってものんちゃんは私が守るわ。」
出川は驚き
「全然僕を信じてないじゃないか!何で江頭の言うことを信じるの?」
「いいえ、母さんはあなたを信じる。あなたがいじめなんかに負けないことを信じてる。」
「めちゃくちゃだ。」
出川は悲しそうに俯いた。
おばさんはその様子を悲しそうに見詰めた後、僕を見て
「嫌われる役をさせてしまってごめんなさい。のんちゃんと仲良くしてね。」
「するわけないだろ!!」
出川の激しい否定におばさんは静かに怒っていた。
僕は咄嗟に
「嫌いな人と無料に仲良くなる必要はないと思います。僕も無理に仲良くなるきはないです。」
僕の言葉が、堪えたのかおばさんは悲しそうだ。
けど。おばさんががっかりするのは分かるが、何故か出川も悲しそうにしていた。
何で出川ががっかりするか、君はわかる?
僕は全然分からない。
けど、言いたいことは言っておこう
「ああ~。僕がおばさんに言ったのはですね、世の中には沢山の人がいますから、、、、、いじめをするようなクソ共とか見てみぬ振りをするクソ共を切り捨てて、転校するのがいいんじゃないのかと思いまして、、どうですかね?なかなかの名案だと自分では思うんですが?」
おばさんは、考え込んで
「わかったわ。その意見も参考にするわね。」
と言って冷たい笑顔を向けて来た。
僕に帰って欲しいのだろう。
憔悴しきった出川を見て、さすがに少し心が痛んだ。
「どうも、ご馳走さまでした。それじゃあ帰ります。」
別れの挨拶もそこそこに、足早に家を出た。