みーと・あげいん
一片の長さが10mの端から端まで
駆け抜ければ2秒とかからない短い距離の
端から、端まで
手の平サイズの銃口が今日も空き缶を狙って
24発の0.6ミリを、大事そうに送り出す
ヒットする弾は多くない
地面に当たって
壁に当たって
時折空き缶をかすめたボールが
同じ位の勢いで
僕の体にぶつかってくる
聞き取れない言葉と
勢いだけで
返ってくる
大事だったかもしれない
でも使い捨てのもの
避けようともしない躰
痛いともいわない躰
何も感じない肉の塊
機械的に動く塊
邪魔なんだよ、この肉の塊
何も言わないはずなのに
一番多く言う悪態が跳んできた
きっと送り出した時に乗せたんだろう
空き缶が僕を撃つ
僕を狙って撃ち返してくる
僕は右から左にかわす
今
空き缶は何て言った?
口を慎めって。
ありがとうございました。