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最終話  勇者?いえ、化け物です

随分お久しぶりです。

書かなくちゃいけないと思いつつも、筆が重くてずっと放置していました。

さすがに、このまま終わらせずに放置と言うのもあれなので、最後だけでもアップしとこうかと思います。

本当はちょこちょこはさまないといけない部分があったのと、かなり走った部分があるので、ちんぷんかんぷんもいいところだろうと思います。

今までは多少雑になったことはあっても、きっちりと完結させていましたので、初めての挫折と言うこともあり、情けなさを感じています。

こういうことのないように、別作品では気をつけようと思います。

「久しぶりだな」


「ああ、そうだな」


呼び出したのはいつもの情報屋。


「それにしても、随分の騎士を殺したみたいだな」


「降りかかる火の粉は振り払わないといけないからな」


「それはそうだろうな」


「で、要件とは?」


「勇者レイオンは、魂を売り、魔王となった」


「そういうことね」


言いたいことは理解できた。


要するに、わざわざ忠告をしに来てくれたのだろう。


「神殿からの通告か?」


「ああ。わざわざ、主神様からの思し召しらしいな」


そう言った彼の言葉には何一つとして敬いの感情はない。


そりゃそうだろう。


世界を救いもしなかった存在を敬えるわけがない。


確かに、存在はする。


何度か、僕だって姿を見たことがある。


美丈夫な存在だった。


ただ、それだけだ。


家族を、恋人を、世界を救わなかった。


全てを人に丸投げして、ただ敬えと言うだけの存在を受け入れられるわけがない。


だから、神殿の権威は失墜し、主神の存在は排除された。


「だから、何人も殺させたわけだな」


「そう言うわけだ。噂なんていくらでも作られる。そして、そこにちょっとした事実を混ぜれば、完成だ」


「失った権威を僕を貶めて殺すことで再び取り戻そうと?」


「そういうことだ」


「魔王の次は主神様とはね」


「殺すのか?」


「向こう次第だね」


殺さなければいけないのであれば、殺す。


ただ、それだけだ。


店を出ると、空へとふわりと浮かび、町から離れる。


目指すのは聖都オルレイン。


町からだいぶ離れたのを確認すると、魔力を一気に解放する


全能力を解放すると下手するとその力に当てられた人がショック死する可能性がある。


魔王を超えた化け物。


勇者なんかではない。


ある意味では、確かに魔王と言うのは正しいのかもしれない。


こうして、災厄しか振りまかないのであれば。


再びオルレインへと向かう。


込められた魔力の違いに速度は先ほどと段違いに上がる。


あっという間に切り替わる世界。


怯えた飛んでいる魔物達が大慌てで避けようとしたが、避けきれないものは次々と吹き飛ばされていった。


跳び始めてから一時間も経たずに、目的地にたどり着いた。


外壁にある結界をぶち抜くと、そのまま聖堂へと突っ込んで行く。


当然町中は大騒ぎだ。


だけど、僕はそれを無視して、聖堂の中に降り立つ。


周りで祭司達がぎゃーすかと騒いでいるが、それを無視すると、聖堂の奥へと向かう。


時折、衛兵らしき神官達が攻撃をしてくるが、殺さない程度に痛めつけて進んでいく。


そして、ようやく神殿の最深部である光の扉に辿り着いた。


「そこを開けてはならん!そこにおわすは我らが主神様、アングルボザ様であるぞ!」


「人の命をコマとしか思わない存在に何の意味がある?」


「この、不埒者が!」


「そっくりそのまま返してやる」


相手にする気もならない。


吹き飛ばすと、そのまま扉に向き直すと、叩き壊す。


普通に開けようちして入れてくれるとは思えないし。


「無駄に綺麗だな」


目の前に広がるのは空だった。


足元には雲のじゅうたんが広がっている。


子供が好きそうなおとぎ話の世界だ。


そのままふわりと浮き、中に入る。


気配が一つ感じられる。


ただ、あまりにも微弱で、しかもだいぶ遠い。


おまけにどんどん離れていこうとしている。


「やれやれ」


ため息一つ吐くと、気配の方へと向かって飛んでいく。


逃げようとしていたが、その差が詰まるのはあっという間だ。


感じられる力は下級魔族レベル、といういい方でさえ甘くなりそうなほど微弱だ。


まあ、普通の人間であれば対応できないレベルではあるが。


「さて、話をしてくれるだろうかね」


闇の呪縛で捉える。


「ひ、ひぃ、な、何故貴様がここにいる!?」


「さて、質問に対する答えになっていないんだが、僕の質問に答えてくれるかな?」


「ひぎぃっ!」


少しだけ呪縛に込める力を強くする。


「な、なんでも話す。話すから助けてくれ!?」


「さて、一つ聞きたい。何故、僕を狙ったのかな?主神様」


「そ、それは……」


「大方、僕の存在が邪魔になったんでしょう?自分では魔王は倒せない。だって、弱いから。だけど、人間ではあてにならないし、神殿自身には実害はさほどない。だから放置していたのに、どこの馬の骨ともわからない僕が倒した上に、行方知らずに。どこかの国に入ってくれさえすれば、そこに主神アングルボザの祝福なんてつけてお茶濁しが出来たのに、人里離れた場所に隠れ済む。当然権威は失墜し、回復する目処もない。だから、僕を第二の魔王に仕立て上げて狙った。違うかな?」


「ぐ、ぐぅぅ」


歯がゆそうにうめくだけで答えようとはしない。


ただ、決して目を合わせようとしないだけに、図星をつかれているようにしか見えない。


「高い生命力を持つ魔族の王であった彼ではなく、人間であれば難易度は下がるし、職業勇者たちをけしかければ十分に可能性があると思ったんだろうけどね。例えば、魔王の手に捕まっている王女を助ければ、彼女を嫁に寄こして、王族として招き入れる、とかさ。まあ、甘いとしかいいようがないけれどね」


まあ、今回は情報屋が手助けをしてくれたから、というのもあるわけだけど。


「正直、僕は俗世も何も興味ない。静かに暮らせればそれだけで十分だから、僕のことを放っておいてくれるのなら何もするつもりはないさ」


そう言って闇の呪縛を程いてやる。


「宗教が栄えようがどうしようが知ったことじゃない。好きにすればいいさ」


正直どうでもいい。


正義とも悪とも言うつもりはない。


それが原因で災いが起きることもあるが、それで救われる人間だって居るには違いない。


だから、一概に否定するつもりはない。


そのまま、アングルボザに背を向ける。


さっさと帰ってしまおう。


家にはアリスが待っているし。


「まあ、そう言っても無駄だったようだけどね」


響き渡る絶叫。


断末魔の叫び。


背を向けた瞬間に襲い掛かってきた。


「何もしなければ、死なずに済んだのにな」


消えゆく存在を一瞥だけすると、再びふわりと浮かび、出口へと向かう。


さて、アリスのおいしいご飯が楽しみだ。




10年後




「アングルボザが消えてから、もう10年か」


「はい、そうであります。陛下」


中庭を見下ろしながらそう呟く。


あくまでも、確認のために言っただけのことだったのだが、几帳面な宰相はしっかりと答えてくれたようだ。


「陛下の望んだとおり邪魔だった神殿は瓦解し、政治への介入もなくなりました」


神殿は主神の威光を使ってあちこちの国の政治へと介入をしてきていた。


神殿の利益を吸い取るためだけの行為しか行わず、むしろ邪魔な存在だったが、主神がバックにいる以上手出しができなかった。


ただ、魔王は倒された時から旗色は変わった。


結局救いはしなかった主神アングルボザ及び神殿側に対する不信感が募り、弱体化が進み始めた。


それに焦りを覚えた神殿側は、勇者を魔王とし、殺そうとしたのだが、まさしく渡りに船だった。


正直、かなりの痛手を受けたには違いない。


優秀な人材が減ってしまった。


幸い、滅んだ神殿側の戦力をどさくさにまぎれて吸収したおかげで、兵力としては依然と同等にまでは回復しているし、国土は占領下においてあるため、国力としては比べるまでもない状態になっている。


何より、神殿のいらぬ介入を受けないのが助かる。


自分のところの兵力を動かすのをためらい、聖戦だと言って国の戦力を動かせとつついてくるのだから、たまったものじゃない。


だが、滅んだことによってそれはなくなった。


神殿側は、勇者レイオンを甘く見ていたが、レイオンという化け物の話しを知っている人間からすれば、滑稽もいいところだ。


あの化け物は魔王を殺すために何でもやった。


その手を汚すようなことを平然としてきたし、修羅場だって何度もくぐってきている。


当然、この手のことになったら、即座に対応し、邪魔なようであれば消す。


しかも、驚くほど鮮やかに、だ。


だから、私は乗るふりをして邪魔な神殿を潰そうと手伝ったのだ。


「バカ娘はどうしておるかな?」


「今は、クリス・フェリルと名乗っていらっしゃっているそうです」


「ほう、勇者の妻と言うわけか」


「いえ、それが、妾のようです」


「妾?」


「はい。本妻の方は別にいるようで、アリスというもののようです」


「本妻にも慣れぬとは、バカ娘らしいな」


思わず笑みがこぼれそうになる。


どうやら、争奪戦には負けてしまったようだ。


まあ、次期国王として女らしさを捨ててしまっていたから仕方あるまい。


自分では演じているつもりで入るんだろうが、全くうまくない。


困ったものだと思っていたが、どうやら治っていなかったらしい。



「まあ、それはそれでいいのかもしれないな」


もしかしたら、近いうちに孫も観れるのかもしれない。


まあ、勇者の子ということで大変だとは思うが。




国王の苦悩やアングルボザの思惑などいろいろと書こうと思っていたのですが、正直かなりしんどくなったので挫折して、あれよあれよと言う間に二年がたったんですよね。

ここまできたら、もうどうしようもない以上、とりあえず終わらせておこうと思ったんです。

正直、こんなふうになるのなら最初から書くな、と厳しい言葉を頂きそうですが、まさしくその通りです。

本当、完結させられないんだったら、書いちゃいけませんからね。

以後きっちりと完結させられるように気をつけます。

こんな駄作をもし待っていてくださった方がいたなら、お詫びさせていただきます。

待っていただきながら、こういう形での終わらせ方で、申し訳ありませんでした。

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