精霊さんと私…そしてお父さん。
お父さんに抱っこされながら庭先に出ると
花壇の方には真っ赤な精霊さんの集団が出来ていました。
やはり警戒色は見当たらないので安全だとは思います。
「お父さん。花壇の方」
お父さんは見えないので指示をだします。
私を呼びにきたと思われる精霊さん達が少し前で誘導してくれているようです。
嬉しいのかピンクもチラホラいますね〜
「リコ。大丈夫そうか?精霊は何色をしてる?」
花壇に向かいいつつもお父さんは私の表情をうかがい、そう問いかけてきました。
お父さんには精霊さんは見えないはずなのに、気配は感じるんでしょうかね?
それとも魔法使いの勘ですかね? 瞬時の判断は大事ですもんね〜
「赤い…けど、大丈夫そう。
ピンクもいるし、紫はいない。
大丈夫。精霊さんからはいい感じしか受けない。」
私の考えを素直に返します。
もちろん、安心してもらうために笑顔で。
お父さんは、一瞬 はっ…としたような表情を浮かべましたが
すぐに微笑んで「そうか…」と頭を撫でてくれました。
花壇に近づくと やはり
精霊さんのおしくらまんじゅう状態で花壇自体が埋もれてしまっていますよ。
今度は私が何も見えないんですけど…笑。
精霊さんが見えることでのデメリットですね。
普通見えないものが見えることで、視界からの現状把握が出来ないなんて。
見える人には見える人の悩みがあるとは聞いたことがありましたが、
こういうことなんですね〜納得。
(ちなみに、それを聞いたのは前世の知人からです。霊的な意味でしたが…
私は怖い話もお手の物だったので、あの時は見えるなら避けられるし、
便利でイイじゃん的なノリで返しちゃってましたね。
今考えると…悪いことしたな〜)
お父さんの腕をトントンと叩いて合図を送ります
これは、私が下ろして欲しい時の私たちの暗黙のルール。
直ぐにお父さんは理解してくれます。
日頃のコミニュケーションはやっぱり大事ですね〜
とりあえず、このままでは何が起こっているのか解らないので
精霊さん達に揉みくちゃにされないギリギリまで行ってみましょうかね〜
ま・触れないので揉みくちゃにされることはないんですけどね〜
もし … されたとしてても本望ですが。
しかし、真っ赤っかに興奮しておりますが どうしたんでしょうかね〜
もしかして、これって俗にいう…出会いイベント的なものとか?
何かに導かれて駆けつけると傷ついた手負いの狼とか…狼とか…狼。
がいて優しい主人公が助ける的な〜そしてそのまま居つく…ドキドキ。
あり得るんじゃないですか?
常々おかしいとは思ってたんですよね〜私にはイベントが起きないな〜と
やっぱ定番はこれでしょう!!
そうと決まれば行きますよ〜グイグイ行きましょう⤴
あそこには手負いの狼が私を待っていますよ〜
(確定です。その方向でお願いします。)
お〜〜私の嬉しさがだだ漏れなのか?
精霊さんもどんどんピンクになってますよ〜
びっくりです。
ど・ピンクな世界で私と手負いの狼の夢(愛)の出会い。
今新しい世界が始まるのですよ〜
開いちゃいますよ〜妄想が止まりません。
私が近づくと(モーセの海割りでしたっけ?あんな感じに)
精霊さん達が左右に道を開きました。
おおおおお。感動した…
ん。…おかしいですね。
愛しの手負いの…狼。
私は花壇の傍にしゃがみ込み
精霊さん達がいた場所を目をおっぴらいて見ているのですが…
泣きたい。泣いてもいいですか…
そこに狼は居ませんでした⤵
そうですよね〜気づくべきでしたよ〜
妄想が膨らみすぎて希望的観測のみで…気付きませんでした。
手負いの狼とか居たら、
お父さんが近付かせる訳がなかったんですから…
では…何で精霊さんはあんなに赤かったの?今はピンクなの?
もう一度、狼以外…で変化がないかみて見ましょう。
私の目は狼モードだったので見逃しているかもしれません。
あれ…?なんだ??
何かが花壇の土の上に落ちてますよ。
小さい女の子…ってか本当に小さいんですけど〜
アレか?妖精とかピクシーとかいう奴か?
精霊さんの他にも妖精もいるのか〜初発見だ!!
お・親指姫。
そうだサイズ的にもそんな感じだ!
いいもん見た!
さて、家に戻るか…。モフモフ以外に用事はない。
あ・・マズイ・・目が…目が合っちゃいましたよ〜
今日も読んでいただきありがとうございました⤴
イベントですよ〜リコちゃん!
狼じゃないですが、これも立派な定番イベントですよ!
リコちゃんはモフモフ意外に興味が無い。家族一番。モフモフ二番。後は圏外です。
次話は【親指姫と私…えっ…女王様?】の予定です。
私は基本的にタイトル決めてから書き始めるんですが…皆さんはどうなんでしょう?
結構、キャラクターが勝手に動いちゃって軌道修正が大変です。