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6話

「こういう場合、どうすればいいかなー…。」


黒の国の女王に自国の王様。

さらに黒の国の女隊長が二人。

そして黒の国の連中はルフィアを狙ってて…


「ケガ、無い?」


ルフィアが泣きそうな顔でマルクを見上げていた。


「おい貴様、どういう事だ!お前はこの娘のことを知らないのではなかったのか!?」


黒の国の女王はステイルを睨みつけながら怒鳴る。

彼女の目は先程以上に嫌悪の念が強かった。


「え、えーっと…その子はな、たまたま出会ってしまって…

あと、何でお前らがこの子、ルフィアを狙ってるのかがわからないからだな…」


「ああもう、まどろっこしい!!貴様そこをどけ!!」


「ちょ、ちょっと何を」


ステイルの言葉には一切耳を貸さず、黒の国の女王はルフィアの前に立つ。

それに対しルフィアは女王を見ると警戒心からか少し身をかがめていた。


「はぁ…、あなたが宝魔の民ですね?突然ではありますが、どうか力をお貸し願いたい。」


女王はルフィアの前に膝をついた。

一連の流れを見ていた王、セヴィオも訳がわからないと混乱している。

勿論ステイルもだ。

マルクは今まで何があったのかさえわからないせいか混乱するどころかポカンとしている。


「おいおいおい、一体どういう事なのか説明してもらおうか。」


セヴィオが黒の国の王女に説明を求めた。

なぜ一国の女王が1人の娘に対して膝をついたのか、力を貸すとはどういう事なのかと。

事前の説明も無しに自分の治める国へと進行された理由が知りたいのだろう。


「それについては私がお話しましょう。」


前に出て来たのは先程までマルクと戦っていたアルミラティだった。


彼女は全てを話した。

100年程前、まだ黒の国が花の国フラウディアと呼ばれていた頃

そこは数々の草花が国を彩っていた

そんな花の国に一人の男が現れた

彼は国の中心部まで進むと突然国全体に呪いをかけた

国の兵士が何人でかかってもその男には敵わず呪いは止められなかった。

そして花の国の草花からは色が消え、人々の目から色が消えた

どんな物も白黒に見えてしまう呪いだ

さらに国から青空は消え、黒雲が国全体を覆った

野菜や果物は太陽の光を失って枯れ落ち、飢餓が国を襲った


「ここまでは理解できた?本題はこれから。」


ステイル達やセヴィオが真剣な眼差しをアルミラティに向ける。

アルミラティは目を軽く伏せながらも話を続けた。


そして現在

正体不明の魔導師が私達に呪いを解く方法を二つ教えていった

そのうちの一つが『石の力を借りる事』

だが石の力を使える者はとうの昔に滅んでいる

今この時代にいるのかを問いたところ、少数だがその血を引く者がいると聞いた

近い国に純血が一人いると


「そして私達はその子を見つけたという話です。ご理解いただけましたか?」


「だってよ、ルフィア」


黙って聞いていたマルクはルフィアに目をやってみるとルフィアは目をまん丸にしていた。


ルフィアは悩んでいるかのような表情を浮かべる。

それに気づいたステイルはルフィアに話しかける。


「どうしたんだルフィア。」


「私にそんな大きい力、無い。すごい力持つの、今いない。」


ルフィアの言葉に場が凍りついた。


「今は、いない?」


「うん。それに私はもう死んでる。力あっても、呪い解けない。」


衝撃の事実が二つも出てきた。


「もう一つの方法、という手もありますのよ…。」


アルミラティが暗い顔をして一言を呟く


「呪いをかけた本人に呪いを解いてもらうという手です。」


誰もが驚く。

そんな昔の人物が生きているはずがない。と。


「ちょっと待て!その呪いをかけた奴生きてるのか!?100年くらい前なんだろ!?」


「ええ、普通の人間ならね。でも、“奴”は普通の人間じゃないの。」


黒の国の王女がセヴィオに近づき、赤い瞳で睨みつける。


「さぁ“奴”を出してもらおうか、王様。」


長い話の後、セヴィオはいつもの明るい表情ではなくなっていた。

とても冷たい目をしている。

自分たちが一度も見たことがない表情をしているのだ。


そもそも“奴”とは一体誰なのか。

それ程の力を持つ種族なんていたのだろうか。

ステイルが思考を回していると突然マントの首部分を掴まれ王女に捕まった。


「早く出さないとコイツの命は無いと思え!」


「!?」


とたんにセヴィオの顔が青くなる。

まるで弱みを握られたかのように慌てている。

だが、何故こうなった。


「わ、わかった!会わせてやるからそいつに手出しするな…!みんな死ぬぞ!」


「言うことを聞けばそれでいい。」


俺ってそんなに価値のある存在だったのか。

こんなことで感動しつつセヴィオの顔色と「みんな死ぬぞ」という言葉に違和感を覚える。


「みんな死ぬってどういうことだよセヴィオさんよ。」


「王か様を付けろ!ゴホン、その理由は会えばわかる。」


話をうまくかわされた気もする。

大きく深呼吸をしたセヴィオは段々と元の明るい表情に戻っていった。

いつもの調子を整えるためにまたコホンと咳払いもする。


「マルクとそこの…えーっと」


「名前、ルフィア!」


「よし、マルクとルフィアも来い。マルクは保護者として、ルフィアはすごく大事な人に会うと思ってな。

あと、王女様あんたは殺されないようにな。」


最後の一言には若干棘のある言い方であった。

これは警告なのだろうか。


「あんた、無礼にも程があるよ!」


「何のために私達がいるとお思いで?」


パシャとアルミラティがまた武器を構えようとする。

黒の国の王女は機嫌を悪くし、殺されるという言葉を耳にしたステイルやマルクはまだ不審に思っていた。

なぜ自分達は殺される可能性が無く、王女は殺される可能性があるのか。

気がかりだ。

そんな事も気にせずセヴィオは笑顔で王女に近づき目線を合わせる。

何気に至近距離だ。


「ところで王女様、お名前は?」


突拍子もない問いだった。

いい顔をし、さり気なく彼女の手も握っている。

セヴィオの顔が近くにあるからか王女の顔は赤くなっていた。


「フィ、フィスティア…です。」


驚きのせいなのか名乗った時の声は先程までの威厳が無かった。

彼女が名乗った数秒後、顔を真っ赤にした彼女の右手がセヴィオの顔に叩き込まれた。


「ぶっ…無礼者!さっさと離さんか!」


セヴィオから少し離れた場所に避難した彼女はついに耳まで真っ赤になっていた。

手を握られているのが恥ずかしかったのだろうか。

それとも…


あれは敵だ、あれは敵だ!


動揺を抑えるのに必死になって周りからの視線に気づいてはいないようだが、周りからは王女というより普通の女性としか見えなかった。

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