第5話【赤い逃走 パート2】
ハブデビ!です!
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───────ダンッ!!
コンクリートの床に、動物的な足音が響く。
鳶人の獣のような『特攻』……三人の研究員へ向け、真っ直ぐ突き進む。
殺意。攻撃意識。鳶人の脳内は、それだけを残し、臨戦態勢へ入っていた。
「俺の……ターンだ!!!」
鳶人がそう怒鳴ると、右手に違和感を覚える。
走りながら、何か……感じたことの無い筋肉の動きが、鳶人の右手を叩く。
(──────な、なんだ……この感覚は!!)
痛みでも、苦しみでもない。これは、鳶人に与えられた『能力』他ならない。
外骨格の盾──────あれが出現した時も、無意識に感じていた。
右手へ瞬間、変化が起きる。
────────バキバキィ!!!!!
鳶人の右手が、目に見えて変形する。 手の甲から中指にかけて、骨が盛り上がり、伸び、歪みながら形成されていく。
中指が延長したかのような異形の『外骨格』。
長さ……およそ50センチ。刀に似てはいるが、刃文も鍔も無い。 あるのは、黄ばんだ骨の質感と、無機質な殺意。
『外骨格の刀』───────攻撃の表れ。
鳶人は笑う。骨の刀を眺め、構えながら走る。
「いいねぇ────。」
「これが俺の、『能力』ってワケか!!!」
怯えた顔の三人。彼らは更に引き金を引く。
パパンパンッ!─────三発以上の破裂音は、標的を捉えて飛んでゆく。
音速の鉛玉。しかし、その乱射はまた、鳶人の『外骨格の盾』に防がれる。
左腕には盾、右手には刀。攻防一体のその『生物兵器』は、ついに手を下そうとしている。
────────まずは一人目……右端にいる、目の細いアジア顔の男へ……『骨の刀』が一閃する。
─────ズスパッ!!!
鋭いその刀は、いとも容易く男の喉を掻っ切った。
プシィーッと、シャワーのように飛び出る血は、骨の刀を赤く染める。
どうやら、人を切り裂くには不自由ないほど鋭利のようだ。
切り裂かれた男は首を抑え、しぼんだ風船のように倒れ込む。
「ご、ゴブ……ブブッ……。」
断面からヘドロ状の血液がドロドロ流れ出る。
それを見て、他の二人は後ろへ下がり始めた。
──────しかし、鳶人は逆に……前へ進み続ける。
研究員の感じる恐怖など、鳶人にとっては無いに等しいものである。
「く、来るなぁぁ!!!」
「た、たすけてくれ、俺もこんな所はもう……!!」
二人の懇願など、鳶人の耳には入らない。
引き下がる研究員など、彼にとっては『家畜』である。
獣のような、狙いを定めた歩みは止まらない。
床に落ちた血が、鳶人の足裏に粘つく感触を残す。
それすら心地いいと感じる。
「俺が苦痛を感じた時……
アンタらは無理やりにでも、薬品を打ち込んだだろうな。」
鳶人は、自分の声が妙に低く、遠くで響いていることに気づいた。
左腕の外骨格が、「ギシッ」と鳴る。
盾が呼吸している。右手の骨刀も、脈打つように微かに震えていた。
鳶人の顔には、怒りを通り越した笑いが芽生える。
「──────ンフッ……アハハハ……。」
そして刹那……二人は腹部に、熱い感覚が。
ザシュッと、鳶人の骨刀は、二人を串刺しするように突き刺さる。
鳶人の慈悲なき攻撃。助ける猶予は微塵もなかった。
「たすけて」など、鳶人は檻の中で飽きるほど叫んだ。
「い、痛い……。」
「ググ……ガハッ……。」
バタリバタリ。吐血し息絶える二人を見下ろす鳶人。
その目は、まさに『鳶』そのもの。
『自由』は、誰にも妨げさせない。そう誓う。
──────邪魔したこの三人のように。
そして気がつく。
鳶人は、無意識に両腕の外骨格を解除出来ている。
元の皮膚、何も無い腕へ戻っていた。
どうやら、自分の状況に応じ身体が反応しているように思えた。
「ハァ……また便利なもんだなこいつァ……。
『外骨格の武器を生成』する能力……18年前に欲しかったな。」
鳶人は再び、地下通路の奥へ進み始める。
パトランプは鳴り止まず、赤の世界は終わらない。
──────そして鳶人は、意外な人物と出会うこととなる。
読んでいただきありがとうございましたー!
絶賛連載中なので、次も読んでくれると嬉しいです!!




