表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

愛されたくてきょうを生きる

愛されたくてきょうを生きる

作者: 未来狂
掲載日:2025/11/18

この物語は「秘密の愛」をテーマとして、1人のメイド視点で、ご主人様やその他の登場人物と関わって行く中で変化していく自身を追っていきます。

物語が進む最中でどんどん明かされていく"秘密"を楽しんでいただけると幸いです。

*注意: この小説は以下の要素を十分に含みます。

           狂人


「あなたは……狂っている……」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


私は名のある地主の令嬢に仕えるメイドであった。

お嬢様と私は同い年だったので、主従関係でありながらも親友のように遊んだり話したりしていた。

そんなある日のこと


「本日もお見合いの手紙が来ております。レイお嬢様。」


「また届いたのね〜。今度はどちら様?…ってその前に2人きりのときは敬語は使わないって言ったでしょ、メイ。」


そう、このレイお嬢様ことレイ=フォーマッドこそまさに容姿端麗、才色兼備を具現化したフォーマッド家の名にふさわしい令嬢で、私の主人であり親友である。普段はいかにもお嬢様って感じの振る舞いだが私と2人きりの時だけこうも砕けてた感じでいる。


「一応仕事中なんだけど…まぁいっか! 今回の手紙の送り主だけどいつもみたいにそう易々と断れなさそう…。なんせ大商人一家のご子息だそうで、この国の騎士団で遊撃隊の隊長なんだとか。『麗しのフォーマッド家のご令嬢とよろしければ…』だってさ。」


「そう…。確かに遊撃隊とはいえ騎士団の隊長なら私たちとしては簡単には流さない話ね〜。」


国の騎士団の中の隊で隊長を務めるということは、すなわち国王の信頼が厚いということだ。そんな人からの求婚をすぐに流せば国王からの印象が悪くなりかねない。


「それはそうだけど、他の婚約話も簡単に流さないでよね。せめて直接会ってみてから決めてよ。」


「まぁ、それが良さそうね!」


こうしてレイにとっては久しぶりのお見合いが決まった。


あれから何日か経って例のご子息がうちの屋敷にやってきた。


「こんにちは。ニール=フリールだ。ニールと呼んでくれ、可愛らしいお嬢さん。」


初対面でいきなりタメ口かよ!と言いたくなる気持ちを抑えて


「ようこそお越しくださいました、ニール様。私はレイお嬢様のメイドのメイと申します。レイお嬢様のところまでご案内いたします。」


とだけ言い、屋敷の中へ案内した。玄関の道中、庭の花壇一面に咲いたヘリオトロープを見てウキウキした様子で話しかけてくる。


「すごい綺麗な花だね!君によく似合うな〜。」


お見合い相手のメイドを口説くのはいかがなものかと少々面倒くさく感じていたが、かなりのイケメンなせいで結構絵になっているので返す言葉に困り、


「お嬢様がお待ちです。」


と最低限の流ししかできなかった。


広い外庭を横目に通り、屋敷の中へ入るとメイド長兼レイの教育係のカインが出迎え、レイのいる中庭へ案内していった。その間ニールがあまりのイケメンだったのもありカインはいい歳をして鼻を伸ばし切っていた。


それからしばらく、私は仕事をこなしつつ時折レイとニールの様子を見ていた。先程のニールとのやりとりからニールがレイの気に障ってすぐ破談しないかと思ったが、そんな予感とは裏腹にレイは楽しんでいる様子だった。

一旦ニールに紅茶を注ぎにでも行こうとした矢先、私の肩が掴まれ力強く引き戻された。そこにいたのはカインだった。


「紅茶なら私が注ぐからあなたはさっさと雑用をこなしなさい!じゃないといくらレイお嬢様がお認めの居候でも出ていってもらうからね!」


昔から変わらずカインは私に厳しい。まぁ私の立場上何も言い返せないが、もう40代半ばを迎えるのに紅茶を注ぐとか言ってニールの前で出来るだけ媚びを売っているのを見ると今にも叫び出したくなる。(キモイわ!)


思うことを心の中にとどめて仕事に戻る。

そうしていくつか仕事という名の雑務をこなし、屋敷の掃除をしているとふいに声をかけられた。ニールだった。


「そこの美しいお嬢さん。少し時間あるかい?」


言いたいことを我慢し続けていたので、もう耐えきれず口にしてしまった。


「あの、あんまり婚約を申し込む相手のメイドをナンパするのは良くないと思いますよ。普通に浮気者です。」


思わずハッとしてしまった。流石にまずいと。


ただそれでも気にせずこの浮気者は話を続ける。


「ひどいな〜。別に浮気なんて趣味ないのに。まぁそれよりこれを受け取ってよ。」


差し出されたのは手紙だった。中を読んでみると後日近くの公園で会いたいとのことだった。


「やっぱり浮気者じゃないですか。」


彼はにっこりとイケメンスマイルを向けて言った。


「そんなつもりはないよ。ただ会って話したいだけ。まぁとりあえず俺は今日はこれにて失礼するよ。」


そう言って浮気者は歩いていったが、仕事上嫌々ついて行ってお見送りをした。その道中も顔だけはいいスマイルで危うく見惚れてしまいそうになった。


その夜、レイに今日のお見合いについて話を聞いた。


「今日のお見合い楽しそうだったね、レイ。」


「うん!ニールがとても気さくな人で話してて楽しかったの!」


あんなにお見合いをしたくなさそうだったレイがこんなに楽しめていたとは…(ニールが気さく?かはさておき)。そこで思い切って聞いてみた。


「結婚はするつもりなの?」


なぜか少し緊張している自分がいる。


「正直悩んでるの。ニールは相手としていい人なのだけれど、もし結婚するってなったら私はこの家を出て向こうの家に行かなくてはいけないし、メイを置いていくことになるのはちょっと…。」


こういうことを言う時のレイの寂しそうな顔はたまらなく可愛らしい。


「私のことは気にしなくていいっていつも言ってるでしょ。」


そう言って笑顔を見せるが、心の中ではニールからもらった手紙のことを言うか悩んでいた。

結局レイの笑顔を壊したくなくて手紙のことは話さずに終わった。


そうしてニールと会う日を迎えた。

待ち合わせ場所の公園は広く、小さい頃に何回か来たことがある程度だったのでちゃんと見つけられるか不安だったが、流石のイケメンっぷりでイケメンオーラのような存在感があり、すぐに見つかった。


「ごきげんよう、美しいお嬢さん。」


相変わらずな様子だ。


「ごきげんよう、浮気者さん。それでお話とはなんでしょうか。」


「まぁそうよそよそしくしないで〜。とりあえず歩こうか。ちょっと行ってみたいところがあるんだよね。」


そう言うのでとりあえずニールについて行った。

いくつかお店をまわって、おしゃれなレストランで昼食をとった後、近くの美術館を鑑賞した。そして今2人で噴水のある広場のベンチに座っている。ここまで「きれいだねー。」とか「おいしいねー。」とか当たり障りのない会話しかしていない。


「いや、ただのデートじゃん!話したいことってなんなの!」


いつのまにかタメ口になっていたが、もはや気にならない。

ニールが笑って答えた。


「そうだったね。そろそろ話そうか。」


急に真剣な面持ちになる。


「単刀直入に言うと、週2日ほどあなたと今日みたいに2人で過ごしたい!」


私は完全にフリーズした。一方で頭の中で思考が止まらなくなる。レイに求婚しているのではないのか?なぜ私なのか?この人は真剣な顔して何を言っているのか?

いろいろ考えた結果私の口から出たのは


「この浮気者が。」


ニールはまた笑って


「それで、この誘いには乗ってくれるのかい?」


私はすぐにでもお断りするはずだった。でも口から出た答えは逆であった。

それはレイのことが頭に浮かんだからか、はたまた…。


それから私の日常は変化した。

ある日は家にやってくるニールをレイの元へ案内したり、ある日は今まで通りカインにいびられながら仕事をしたり、毎週2日とはいかずとも時間を作ってニールとデートスポットをまわる外出をしたり。忙しいながらも充実した日々を過ごしていた。


そんなある夜、レイと2人でいつものように話しているとレイがついにあの話題に触れた。


「私、ニールとの婚約を真剣に考えているの。家を出て向こうで暮らさないとなのは相変わらず心配だけど、話していて楽しいし彼とならうまくやれる気がする。メイには寂しい思いをさせてしまうけれど…。」


私はこのことを素直に喜べなかった。

2人のやりとりを見ていたからいつかこんな日が来ると分かっていたのに、前の私は自分からレイにニールと結婚しないのかと聞いたのに、今の私はレイの返答を受け入れられない。鉛のように頬が重くなって笑顔が作れない。


「私なら大丈夫……。」


私はレイにそっぽを向いてそう言った。あまりに複雑な気持ちの整理がつかず、この一言で精一杯だった。


翌日になり、私はいつものようにニールと外出した。

いつも通り有名なデートスポットに行って、おしゃれなレストランでご飯を食べて。

そして最後に景色のいい高台に来ていた。広大な街の景色に夕陽がよく映える。


「綺麗な景色だね〜、今日も楽しかった〜。」


ニールがのほほんとして言った。

このお気楽な浮気者についに物申してやろうと声をかける。


「ねぇ、いつまでこんなこと続けるの?」


「いつまでだろうね〜。」


「はっきり答えてよ!レイはあなたとの婚約を考えているのに!元はと言えばあなたから婚約の話を持ちかけてきたのに、レイと私とで顔を使い分けて浮気して…」


「あなたは狂っている…。」


その一言を言った途端私は我にかえった。何か嫌な感じがした。

言い過ぎたと思った。けど言ってやらねばいけなかったとも思った。

ただ最後にこの言葉だけは口に出さずに持ちこたえた。


(私も――だったのに、お別れする覚悟できてたのに…)


私がどうしようもなくなってなっているとニールが話しだした。言い返されるかと覚悟していたがその言葉は思いもよらなかった。


「確かに俺は狂っているように見えるかもしれない、浮気者と思われるかもしれない。でも俺の気持ちは最初からただ1つなんだよ、麗しのメイ()()()。」


その言葉に私は唖然してとそして震えた。忘れようとして自分の心に何重にも被せていた皮を一気に引き剥がされた。

この男は()()()()()()()


「何で…私はお嬢様なんかじゃ……。」


ひどく動揺する私にこの男は答えた。


「そりゃー俺は大商人の息子ですから。それに…あなたとは一度会ったことがあるんですよ。幼い頃この場所で。」


その言葉でまたさらに心が剥がされる……。涙が次から次に頬をつたって落ちていく。


そう私の名前はメイ=フォーマッド。フォーマッド家の娘で、レイは私にとって主人でもなく、親友でもなく、双子の姉である。


私は涙ながら言いたいことをすべて言う。


「何で私なの…。私はもうお嬢様と言われるような人ではなくなったのに。レイの方が勉強も芸術も、礼儀作法も何もかも優秀なのに…。」


「そんなことはないよ。それに俺はあなたのような人の方が一緒に居て楽しい。」


「そんなのいずれ楽しくなくなるよ。」

食い気味で言った。


「私と居ると迷惑をかけるだけだよ…。

私にはレイみたいな才能はなくて、むしろ稽古をサボって外でやんちゃして、教育係のカインにひどく怒られたよ。勝手な行動を控えなさいとか、レイを見習いなさいとか言って。でもね、その時はまだお嬢様でいられたの。レイをはじめカインも含めてみんなが支えてくれたから。」


少し間を空けてまた話しはじめた。

「でも、あの日から変わってしまった。レイのお見合い相手が来た日。それまでレイにはたびたびお見合いがあったんだけど、それまでの相手はみなレイの容姿と身分ばかり見ていてレイの中身を見ていないのが本人にもバレバレだったから私がレイに頼まれてなるべく穏便に断念させていたの。


でもその男は違った。レイのことを良く見てくれていたし、レイも一緒にいて楽しそうにしてた。私もこの人ならと思っていた。けど、ちょうど席を外していた時、たまたま近くを通った私にその男が声をかけてきたの。初めは双子だからレイと間違われているのかと思ったけど、話してるとそうでないことが分かってきて、極め付けには『レイよりもメイの方がいい。』って言ったの。私はそのとき確信した。こいつも同じだって。気づいたら私はそいつの顔面を殴っていて…。


相手は国の偉い人の息子だったらしくて、お父様が相手のご家族にものすごく頭をさげてた。当然私はものすごく怒られた。特にカインは今まで私がレイのお見合い相手を断念させていたことを知っていたらしくて、今回こそはと思っていた矢先のことで特にひどく怒られた。『あなたは狂ってる』って。家のみんなは私の素行の悪さもあって私を追い出すのに賛成だったし、私もそれを受け入れるつもりだった。けどそれをレイが何とか説得して私がレイの従者になるという条件で家に残ることになったの。」


「何だ、それじゃあ別にあなたは悪くないじゃないか。むしろ自分の立場を捨ててまでお姉さんを助けたんだ。そのままだったらあなたのお姉さんは深く悲しむところだったんだ。自信を持つべきことだよ。」


ニールが私を肯定してくれた。


「違う。そんなんじゃない…。私は…喜んでいた。

私にとってお嬢様でいることは、檻の中に閉じ込められているように息苦しかったから。家のために毎日勉強やら作法やらを叩き込まれて、常に上品でいるように強いられて、できなかったら怒られ罰を与えられ、外で遊ぶことすら妨げられる。おまけに自分より優秀な姉と比べられる。そんな日々が嫌で稽古をサボってこっそり外に遊びに行っていた。だからお父様からレイのメイドでいることを許されたとき内心嬉しかった。お嬢様であることをやめさせてくれたうえで家に居させてくれたから。家の仕事に従事しなければならないが、お嬢様でなくなることは私にとってご褒美でしかなかった。家のみんなが怒っているのに、悲しんでいるのに、罰を与えられたはずの私だけ喜んで……。」


涙が溢れて声も掠れて、だけども力を振り絞って言う


「ごめん……なさい……  あなたよりずっと私の方が……狂ってる」


もはやこれが自分の精一杯の言葉だった。


喋れなくなっている私をニールが抱きしめて語りかける。


「俺はあなたを狂っているとは思わないよ。あなたの昔の境遇は俺には知り得ないけど、少なくともこの広場で出会ったあなたはとても楽しそうだった。1人の人として当たり前の自由を得ているように見えた。どんなきっかけであれ、自分の理想に近づけたのだからそれを喜ばしく思うことは何らおかしくはない。」


私はまだニールの胸を借りて弱々しく泣いている。


「あなたのお姉さんと2人で話すときあなたのことをよく話してくれるよ。『妹が最近特に楽しそうで何よりも嬉しい』って。それであなたのことについて聞いたら幸せそうにあなたとの思い出話をしてくれたよ。家のみんなにはあなたは良く思われていないかもしれないが、あなたが助けた大切な人はあなたを大切な存在だと思っているんだ。」


そんなのズルい……ズルいけど嬉しさがどっと溢れてくる。心の中で嬉しさと思い出してしまった過去への悲しさで混ざり合い今にも破裂しそうだ。


ニールが照れくさそうに言う。


「それに、あなたの昔の自由な姿が今の俺を作ってくれたんだ。あのときあなたに会えなかったら俺は今も父の傀儡だったと思う。だから俺にとってもあなたは大切な存在なんだ。だからこれからは俺の側にいて欲しい。」


「あなたは今までよく頑張ったよ。これからはあなたの生きたいように生きていいんだ。」


その言葉を聞いて頭の中に記憶が蘇る。

レイ……お姉ちゃんに頼まれてお見合い相手を返したときに必ず言ってくれた、私がお嬢様をやめさせられるまでお嬢様であろうと思えた言葉。


「ありがとう、よく頑張ったね!メイ!」


私の方こそ今までいっぱい迷惑かけてごめんなさい、お姉ちゃん。私のことずっと大切にしてくれて、ずっと支えてくれて


「ありがとう……」


口にした瞬間私の心を覆っていた皮が完全に剥がれた音がした。


ワタシは生きたいように生きていいらしい。

隠していた心が露わにされたと同時に隠していたワタシの望みが私を支配した……。


それから数日後、ワタシはニールと少し離れた森に来ていた。ニールの遊撃隊の仕事として見回りついでにワタシと散歩デートに来たのだ。


ワタシはずいぶんと浮かれていた。なんせこの日を待ち望んでいたのだ。それもあってニールとの会話は頭の片隅にしかなかった。


「そういえば俺たちが初めて会った日に広場でなんか土まみれになっていたけど何をしていたの?」


あの日のことを思い出して笑顔になる。


「あ〜あの日はねお姉ちゃんに四つ葉のクローバーをプレゼントしようと思ってずっと探してたんだ。カインにはすごく怒られたけどお姉ちゃんすごく喜んでくれたんだ〜。」


これくらいしかニールとの会話は覚えていない。


やがて、ワタシたちは森の奥までやってきた。


どうやらここで仕事があるらしくニールはカバンの中から何かを探している。


ワタシはニールに声をかけた。


「何か探しているの?」


ニールがワタシの方へ振り返った。それと同時に深い緑色だった草木に不快な赤色の雨が降り注いだ。


ワタシの持っていたナイフがニールの腹から草木に雨を恵み続ける。


痛みをこらえながら信じられないといった顔をしたニールにワタシは意気揚々と説明する。


「やっとお姉ちゃんに近づく不届きものを排除できた…。またお姉ちゃんをワタシのものにできる!

あなたが手紙を送ってきた時からずっとどうやってお姉ちゃんを諦めさせるか悩んできた。


命まで奪うつもりはなかったけど初めて家に来た時お姉ちゃんと楽しそうに話しているのを見て、これまでと違って手段を選んでられないと直感的にわかったから紅茶に軽く毒でも仕込もうとしたらあのキモいメイド長に止められちゃって…。


流石にどうしようか悩んでたところにあなたが話しかけてきて、チャンスだと思った。あなたと親しくなれば、あなたとお姉ちゃんの距離を広げられると思ったから。


……でも、今までの人たちと違ってお姉ちゃんはあなたを気に入っていたようだった。

ワタシにとってお姉ちゃんは絶対であり、ワタシはお姉ちゃんの一番のメイドだからお姉ちゃんの幸せを願ってた。ワタシじゃなくてもお姉ちゃんが幸せになれる人の元に居て欲しいと思った。


だからワタシはあなたを知ろうとあなたとのデートごっこに付き合ったの。そしたらあなたといるほどニールという人間の本質が見えてきて、次第にきっとこの人にならお姉ちゃんを任せられると思った。メイドのワタシじゃどうしたってお姉ちゃんと肩を並べて幸せになれないと心のどこかで思っていたから好きでもお姉ちゃんとお別れする覚悟ができた。


そんなときあなたがワタシがお嬢様だったことを思い出させてくれた。ワタシもお姉ちゃんの隣に立てることを。


あなたはワタシに教えてくれた。生きたいように生きていいのだと、ワタシはお姉ちゃんを愛していいのだと。


あなたがお姉ちゃんと話していたという事実がとてもズルく感じた。お姉ちゃんの話し相手はワタシなのに…。


でもあなたには感謝してるの。おかげでワタシは自分の気持ちに素直になれた…。過去の罪悪感なんか忘れて…ワタシとお姉ちゃんのためだけに生きることができる。


だからあなたはせめて…なるべく苦しまないように、ここで死んで?あなたはもうワタシとお姉ちゃんにとって必要ないの。


今までありがとう〜。」


苦しそうに歯を食いしばるニールがなんとか喋った。


「あなたは……狂っている……」


そう言い放った瞬間、苦しそうな彼を思ってか、または赤い雨に酔いしれてか、一本の大きな木が倒れてきてニールは下敷きになった。


もう動く気配のない浮気者に一言放つ。


「あなたのおかげでね」


そうしてワタシはお姉ちゃんに愛されたくて狂を生きる。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

初めて小説を書いてみたので分かりにくいとか、読みにくいとか、表現が間違ってるとことかたくさんあると思います。

今後の改善していきたいと思っているので、感想と一緒にあったか〜く教えていただけるとありがたいです。

もし多くの方に気に入っていただけたら現在この物語のレイ視点、ニール視点の作成をしているのでそれを投稿しようかと思います。

そこでは今回の物語で残された各キャラの真相や謎、詳細が書かれなかった場面を明かすつもりです。

また、こういうテーマの作品を書いてほしいとかも募集してます。

皆さまの感想をもとにいろいろな作品を書いて成長していきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いいたします。

皆様にとって愛狂のある作品になれたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ