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こちらも、誤字を指摘して下さった方(複数)、ありがとうございました。
(一部、会話文のためそのままです。)
***
一週間後──。
「ミツキ、あなた、いつまで私の中にいるんですの?」
私は帝都の邸宅で、お茶を飲んでいた。
"さあ、あたしにも分からないんだよねー。
ローズのルートはクリアしたから、もう帰ってもいいと思うんだけど、帰り方が分からなくてさ。
まだ、やり残したことがあるのかも知れない"
「まあ、いいですけれど──」
と、その時、私の部屋にノックがあった。
「お嬢様。お客様がお見えです」
そう執事が言うと、私は「わかったわ」と応えて、客間に向かった。
私が客間に入ると、男性が迎えてくれた。
「やあ、ローズ」
「お久しぶりですわ。ノア様」
私は膝を曲げてお辞儀をした。
私を訪れてくれたのは隣国のノア王子だった。
"これがノアね! イケメンー!"
ミツキがはしゃぐ。
「これ、はしたないわよ。ミツキ」
私がミツキを窘めるとノア様が不思議そうに聞いた。
「ミツキとは?」
「い、いえ、何でもありませんわ」
「ふふ。不思議な人だ。それはそうと、聞いたよ。皇太子を投げたんだって?」
「あ、あれは、私が投げたんではなくて、ミツキが、いえ、身体が勝手に反応したんですわ」
「ふふ。濡れ衣を着せられた君は、知恵でそれを覆し、しかも皇太子の悪事も暴いてみせた。君はまさしく国の英雄だ」
「そんな、大袈裟ですわ」
「国が腐敗しないためには君のような強い女性が必要だ」
「まあ。私を褒めても何も出ませんわよ」
「いやいや、まだまだ褒め足りないよ。僕の数日の滞在期間では君の素晴らしさは伝えきれない」
「ノア、様──?」
「幼い頃、僕たちは僕の国で一緒に過ごしたね。あれは僕にとって至高の日々だった」
「……私にとってもかけがえのない日々でしたわ」
「そう言ってくれて嬉しいよ。でも、君が帰国してしまってから、僕は灯りを失ったんだ」
「ノア様……」
「ずっと思っていた。君を取り戻したいと。
どうかもう一度、僕に灯りを灯してくれないか?」
「それは、つまり……」
「僕は君のことがずっと好きだった。ずっと想っていた。もう、君と離れたくないんだ。
僕は君の影になりたい。君という灯火を受けてずっと一緒にいられる影に。
どうか、僕と結婚してくれないか?」
「ノア様……」
「急な話だから返答に困ると思う。君が考えるための時間を置こう。僕はまた一ヶ月後にこの国に来るから──」
「嫌ですわ」
「え?」
「私、ノア様と一ヶ月も離れるなんて嫌です。どうか私を奪って下さい。私を貴方の国に連れて行って下さい」
「ローズ……」
私はノア様を見つめると、ノア様は私の手を取った。
そして私達は立ち上がると、ノア様は私を抱き寄せてくれた。
「ありがとう。僕の最愛の人」
"きゃ〜、いい男やわ〜。きゅんきゅんする〜"
また、ミツキが戯れた。
***
そして、数ヶ月が経ち──。
"はぁー。いい結婚式だったねー"
結婚式を終えたばかりの私にミツキが言った。
私は純白のウェディングドレスからローブに着替えて、控室で休んでいるところだった。
「そうね。式が無事終わってほっとしましたわ」
私が同意すると、ミツキは突然切り出した。
"ローズの結婚式も見れたことだし、あたし、行くね"
「え? 行く、とは?」
"元の世界が呼んでるんだ。あたし、ここで帰るよ"
「そうですか……。寂しくなりますわ」
"うん、あたしも"
「ミツキ、貴女は私を照らしてくれた月光でしたわ」
"え?"
「ジョシュアに謀られたとき、私は真っ暗な夜道を歩いているようなものでした。
暗闇のままではきっと陰謀に屈していたことでしょう。
ですが、その闇を照らして道を示してくれたのは、貴女という月のおかげでしたわ」
"ふふ。嬉しいこと言ってくれるね。あたしの名前に掛けてくれたんだね。
じゃあさ、ローズは朝日を浴びて輝く薔薇だね"
「え?」
"夜が終われば朝が来るじゃん。月というあたしの役目が終われば次は朝日の番。
朝日が世界を照らすように、ローズには明るい道が待っているよ"
「ふふ。わかりましたわ」
"じゃあね、ローズ。お幸せに"
「ありがとう、ミツキ。貴女も壮健で」
"うん。バイバイ──"
そうして、私の頭の中からミツキの気配は消えた──。
私がミツキの余韻に浸っていると、控え室のドアをノックする音が聞こえた。
私はドアの向こうに応える。
「はい」
「ローズ様、そろそろ出発のお時間でございます」
侍女が私を呼びに来てくれたようだ。
「わかりました。すぐに行きますわ」
私はそう言うと、姿勢を正して立ち上がった。
そして、毅然と前を向く。
「ミツキ。貴女の言う通り、私は薔薇になりますわ。この国を担う王太子妃として、気高く咲き誇る薔薇に!」
完
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【6/10 更新】
新作です。公爵令嬢の裏の顔はマフィアのボスで、毒を以て毒を制す。という設定のざまぁ+恋愛です。
本編は完結しましたので読んでいただけると嬉しいです。
https://ncode.syosetu.com/n2481ig/




