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場景逍遥I

長編初投稿です。よろしくお願いします。

 夢を見る。

 世界を救った、ある男の物語。

 爛爛と輝く一振りの剣を手に、あらゆる障害を打ち払う。

 無駄のない、見とれるほどの剣技。


 その一振りで、千の敵を屠り。

 その一振りで、万の人々を救った。


 決して消えない、人類の希望(輝き)


 人々は彼を「勇者」と呼んだ。


 けれど、終わりはやってくる。

 魔王という人類最大の敵を倒した彼は、ついにその輝きを失った。

 俺は死に体となった彼の手を取り涙を流す。


      ――いや、違う。

       泣いているのは俺じゃない。


 そこで俺は漸く気がついた。

 これは誰かの記憶なのだと。

 勇者とともに戦った、彼の仲間。


 (彼女)の涙は止まらない。


     ――ふと、視界にもやがかかる。

       夢の目覚めが近い。


 (彼女)は最後の力を振り絞り、ある魔法を発動させる。


 それは世界を渡る魔法。


 荒れ果てたこの地ではなく、どこか緑豊かな地で彼を眠らせたいという最後の願い。

 主の手を離れた魔法は、その願いを忠実に実行する。

 (彼女)と彼を取り囲む、幾層もの魔法陣。


 ――瞬間。


 目を焼くほどの強い光が視界を塗りつぶす。

 それと同時に、意識が浮上する感覚。

 視界のもやはどんどんと濃くなっていく。

 薄れゆく(記憶)の景色。

 意味などないと分かっていても、願わずにはいられない。


 ああ、どうか彼女の願いが叶いますように。


 二人のたどり着く先。


 その結末を、俺はまだ知らない。

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