男女比系の話
TS物に飢えすぎて軽く書いてみました。
「お嬢様。食事をお持ちしました」
いつもの時間、いつもの格好で部屋へと訪れた彼女の名はサリア。私専属のメイドだ。
「ねぇ、私はいつまでここに居れば良いのかしら」
私の質問にサリアは呆れた様子を見せる。
「また同じ質問ですか?お嬢様、貴女は唯一の生まれながらの女なのです。その貴重性を理解していただきたいと何度も申した筈ですよ」
生まれながらの女。
それは後天的以外では女になれないこの世界で、先天的に女であった者に与えられらる称号。
今現在確認されているだけでも、たったの3人しか存在しない希少種――それが私だった。
「分かってるわ。でも、ずっと屋内に居ると息苦しいの。せめて、敷地内にある外に出たいのだけど、ダメかしら?」
「駄目です。万が一があったら旦那様がお悲しみになられます。気分を変えたいと言うのであれば、屋内に設けられた運動場に行かれてはいかがでしょうか?」
「―――そうね。時間がある時に行くわ」
私は窓へと顔を向ける。
燦々と輝く太陽の光。
陽の光に照らされた草花はとても生き生きとして見える。
とても羨ましかった。
こんな生まれでなければ、きっと私はあの中を駆け回れていたかと思うと、自らの出自を恨みたくなる。
「お嬢様。お食事が冷めてしまう前にお食べになってください」
サリアに呼ばれ、意識が戻る。
気が付けば私は窓に向けて手を伸ばしていた。
なんて無意味なことを。自らの行動に嘲笑う。
何をしようとした所でこの檻からは抜け出せない。
私に出来るのはただ飼われて番うことだけ。
死ねるのなら死にたい。
死んで、生まれ変わって、今度こそあの外を心が赴くまま走り回りたい。
前世でも出来なかったことを来世で―――。
「お嬢様!?」
「どうかしたの?」
急に大声を上げるなんてらしくもない。
私を凝視するサリアに首を傾げる。
「い、いま………お嬢様、笑いましたか!?」
「笑う?」
手で口元に触れる。
変化はない。いつもと同じ一文字だ。
「気のせいではないかしら?」
「見間違いでしょうか?でも、確かにお嬢様は笑っておられたはず……」
戸惑うサリア。
普段は見られないその様子に心が揺れ動くのが感じられた。
久しく感じていなかった感覚に私は微かに笑う。
「ふふ」




