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サブタイトルがなんも思い付かなかった。
「さて、ここはどこだ?」
見晴らしの良い平原。
気が付けば俺はそこに居た。
辺りを見回すが人っ子1人見ないし、村や町すらも無いときた。
「どっすかね~、これ」
腕を組み空を見上げる。
そもそもなんでここに居るのやら。
皆目検討も付かない。昨日のことを思い返すが寝た記憶しかないのだ。
青い空を泳ぐ雲を眺め、ふと気付く。
「これあれだ。異世界転生って奴だわ」
まさか本当にあるとは、嬉しいやら悲しいやら。なんとも言えない複雑な気持ちを抱く。
(デートプランが潰れちまった……)
彼女はいない。
マッチングアプリで出会った女性とただ食事を取るだけ。
それをカッコ良くデートプランと言ってるだけに過ぎない。
ちなみに、これでウン十回目。
未だに恋人は出来た試しのないアラサーだ。
「今回こそは上手く行きそうだったんだよな~」
珍しく向こうの方からの誘い。
話してみた感じも良い子そうだったし、俺から食事を誘っても乗ってくれたから脈はあると思う。
まさかそのタイミングで異世界に転生してしまうとは―――。
「そもそも俺って死んだのか?」
これ系の作品を読み過ぎて極自然に転生したと思ったが、当たり前と言えば当たり前だが、そんな記憶はない。
健診でも比較的健康だと言われたぐらいだ。
であれば、転移なのかと思うが、そうであれば召喚系ぐらいしか思い付かない。
「後は神様の手違いか……」
そんな記憶ない。
此方のミスで~とか、1丁世界を救ってみない?とか言われた記憶もなければ、神様にあった記憶もない。
「マジで俺ここに居る理由が分からんのだが?」
ここに来て何をしろって言うのか。
後は自由に過ごせ、とでも言うのか。
思わず溜め息を吐く。
俺が知らないだけで何かしらの力を貰ってる可能性もなくは、ない。
アレを試してみるべきだろう。
気恥ずかしい気持ちを堪え、手を前に翳して俺は叫ぶ。
「ステータスオープン!」
10、20、30と秒が進むがステータスが表示されることはなく。
プルプルと体が震え、顔が赤くなるのが分かる。
「何もないじゃないかよ!!」
恥ずかしい思いまでして叫んだと言うのに意味がなかった。
しゃがみこんで両手で顔を覆う。
(普通さ。異世界ならステータスとかあると思うじゃん!それがどうよ、ステータスがないと言うね?マジで何の時間だったんだよ!!)
ほんと、ここに誰もいないくて良かった。
今だけはその事実に感謝して身悶える。
「あぁああぁああぁあ!!」




